【特別座談会】 クリニック「譲渡」経験者の声 ~第三者医院継承で地域医療を未来へつなぐ~ インタビュー
クリニック譲渡経験者:特別座談会 ~オープニング~
堀江聖夏(以下、堀江):皆さま、はじめまして。司会を務めさせていただきます、フリーアナウンサーの堀江聖夏(ほりえみな)です。そしてメディカルプラスの神子(かみこ)さんです。
神子誠(以下、神子):株式会社メディカルプラスの神子です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
堀江:神子さん。今日は座談会ということでいつものインタビュー(※メディカルプラスのお客様の声)とは雰囲気が違う形ですが。
神子:私も緊張していますので。ぜひ先生方もこの座談会を楽しんでいただければと思います。
堀江:通常メディカルプラスさんで行うインタビューでは、一対一でお話される形式ですが、今日はお三方を交えての座談会ですので、温かな雰囲気で始めさせていただきたいと思います。それでは皆さま、この第三者医院継承についてご存じでしょうか。日本には第三者医院継承という選択肢がありますが、その情報が不足している医師が少なくありません。後継者不在の医師、実際に譲渡を考えている方々、また第三者医院継承について聞いたことがない方も多いと思います。本日この座談会をご覧の方の中にも、該当する方がいらっしゃるかもしれません。そして本日は、実際に譲渡を経験された医師の方々の声をお伺いする「特別座談会」を開催させていただきます。
良かったという成功体験だけではなく、実際に経験した上での初期の期待との違いなど、皆さまの声を共有いただくことで、医院譲渡に関心を持つ医師の皆さまにとって新しい視点を提供し、大きな励ましになると考えております。よろしくお願いいたします。
医師のご紹介
堀江:それでは本日ご参加いただきます医師の皆さまのご紹介をさせていただきます。「旧安江レディースクリニック」前院長、安江育代先生です。そして「医療法人社団有朋会」前理事長、武石恭一先生です。「医療法人社団石筍会」前理事長、山口規夫先生です。よろしくお願いいたします。
神子さん、調べたら分かることも沢山あると思います。例えば新規で開業すると先生の思いのままで開業できますが、なかなか準備が大変だったり資金がかかってしまったり。逆に継承をすると患者さんが付いてこられているので、初月の売り上げなど経営が安定しているなどがあると思います。今回は折角ですので、深堀してもっと皆さまのお医者さまならではのお話を、お聞きできたらと思っております。
質問➀「引退のきっかけは?」
堀江:「引退のきっかけ」というご質問です。安江先生はこの継承をされてから、ご引退のきっかけはありますでしょうか。いつごろ引退を考えられ始めましたか?
安江育代先生(以下、安江先生):具体的には2年前ぐらいです。だんだんとピークの時よりもレセプト件数が減少してきたり、電子カルテであるとか、コロナの頃でしたのでオンライン診療が盛んになったりとか。マイナカードの普及であるとか、お会計にはクレジットカードを使うとか。世の中はもう変わっているのにうちが変わってないということが非常に多かったのですが、かなり変更するにはエネルギーというか、意欲がないと駄目だなという感じがありました。そういう気持ちが萎えてきた時期だったんですよね。「これはちょっと何とかしなきゃいけないな」というのがきっかけというか気持ちの変化です。
堀江:ありがとうございます。武石先生はいかがですか?いつ頃、引退譲渡を考え始めましたか。
武石恭一先生(以下、武石先生):やはり70歳を超えたところが一つの区切りだったかもしれないです。実際は体が弱くなってという訳ではありませんでしたけど、気力とか根気というのが続かないかなと。そろそろということで考え出して始めたというところでしょうかね。
堀江:武石先生、今の状況なども詳しくお聞きしても?
武石先生:東京都港区の芝で、児童精神科の専門のクリニックをやっておりました。児童精神科は専門にしている者が少ないもので需要はあるのですが、こちらの根気というかそういうところもありまして。「もう少しゆっくりとできないかな」というようなことも考えつつ、譲渡継承をお願いしたいと考えました。
堀江:それが70歳の時ですね。2回目の譲渡は?
武石先生:実は(港区の児童精神科以前に)千葉市で一度、自分でビルを建てていまして。そこは子どもも大人も対象とする精神科のクリニックでした。その時、こちらではそういうつもりはなかったのですが、取引先の地方銀行の方が「そういう手もあるんですよ。やってみませんか」と提案してくれました。半信半疑でしたが、子どもさん専門の診療所をやりたいと思っていたので、思い切ってお願いしました。2年ぐらいかかりましたが、銀行の縁で引き受けてくれる先が見つかり、譲渡後に東京に戻ることになりました。
堀江:神子さん、武石先生が譲渡までに2年ほどかかったとおっしゃいましたが、メディカルプラスさんでは?
神子:弊社ではご相談を受けてから譲渡契約をさせていただくまでに、平均で申し上げると約9か月程度お時間をいただいております。とはいえその後にお引き継ぎ期間がありまして、新しい先生にお渡しするまでの期間も別途時間がかかります。やはり1年から2年ほどはかかってくるものではないか、と思います。
堀江:武石先生は一度目のお相手は銀行、そして二度目はM&Aの仲介会社。今回は仲介会社に頼まれたと。
武石先生:1か所ではなく大体4か所程に声を掛けましたが、様々な反応がございました。児童精神科というのは大変狭い領域なものですから「興味を持つ会社が少ないですよ、」というトーンの会社もありました。そういうことも踏まえて探してみましょうという、やっぱりやってみましょうねという感じが伝わるところというのが最終的には良かったのかなというふうに思っています。
堀江:山口先生は今回が初めての継承になります。誰かに相談されたとかございましたでしょうか。
山口規夫先生(以下、山口先生):誰にも相談せずです。もともと70歳になったら辞めようというか、継承しよう・セミリタイヤしようと思っていまして。65歳の時にはクリニックを法人化し、70歳に向けて実際準備はしていたということになります。人生設計というか、だんだんしんどくなってきたというのが分かってきて。考えた時にやっぱり70歳ぐらいが潮目かなと。
もうひとつは、どんどん病気になる確率が高くなりますよね。私自身が突然死んじゃったとか、突然病院に入院しなきゃいけないとかといった場合、そのクリニックはどうなるのか。それからクリニックに来ている患者さんがどうなるのかを考えた時に、70歳ぐらいが潮時かなと。メインでクリニックを一人で経営してやっていくのはそれが潮時で、世の中の皆さんに迷惑をかけないのはそういうことなのかな、と思って準備を進めました。
堀江:座談会を見てくださっている方の中にも年齢幅があると思います。神子さん、継承される年齢は大体おいくつ位が多いのでしょうか。
神子:年齢につきましては、60歳を超えられてから先生方が検討されるケースがあるのですが、とはいえ開業医の皆さまは定年というものがございませんので、きっかけを持つことが難しい現状ではあります。山口先生のように将来を見越してというケースは、稀かもしれません。
堀江:どのくらいが(継承を)考えるにはベストなのでしょうか。たとえば私の祖父も今とても元気で、いつまでも会社で働きたいと言っています。祖父は飲食店でしたが継承(という選択肢)を知らずに亡くなりましたし、元気でもいつそれをすればいいのか、タイミングが分からないと思います。
神子:そうですね。既存の事業の患者さんが沢山いらっしゃるタイミングが、比較的引き継ぐ方にとって引き継ぎやすい、ということがまず一つ考えられると思います。また、年齢を重ねてからM&Aの手続きをすると気力が付いてこないというケース、そういったお声もありますので、やはりまだ先生がお元気なうちに早めにお渡しをするというのも一つ検討していただきたいな、ということもあります。
堀江:安江先生、継承を考える時は体力的に大変でしたか?
安江先生:そうですね。建物の老築化もですけれど、私自身の老(健康状態)は考慮しなければいけないことの一つですよね。何か新しいことに取り組むことが億劫に感じられたり、物忘れがあったり。衰えるという事には抗えないものがありますので、ある程度余力を残した状態でご相談していい方向に持っていくというのは、大事かもしれないと思います。
堀江:安江先生は色んな地域の方々とご連携もあったと思います。周りの方々に継承されている同じ年代の方もいらっしゃいますか。
安江先生:そうですね。周りの医師会の先生方でもありますし。同級生がみんな同じ年ですから、丁度「やめるのか、譲るか、廃業するのか」というのを悩んでいる先生方はいらっしゃいますよね。時々相談したりもしました。
堀江:その時はどう返ってきましたか。継承を考えていることに対して。
安江先生:継承そのものに関しては、これはもう相談しても結局みんなそう(決めるのは自分)なんです。患者さんにしてもスタッフにしても「先生はまだ若いからもうちょっとできますよ」とか、なにか励ましとも何とも言えないようなことを言ってくれますけれど。決めるのはやはり自分ですので、辞めるかどうかということに関しては(山口)先生と同じように、相談してはいないです。具体的に各論について「こういう場合はどうした」というようなことは同級生に相談したりもしましたけれど。何でも最終的には自分で決めて、ですね。
堀江:ありがとうございます。では次のご質問に移ります。
質問➁「第三者継承を知ったきっかけは?」
堀江:親族や従業員以外に事業承継する、この「第三者継承」の選択肢を知ったきっかけをお聞かせください。第三者継承について今はポピュラーな言葉だと思いますが、そのイメージはいかがでしたか。いいイメージがあったのかそれともネガティブなイメージがあったのか。
安江先生:具体的なきっかけは覚えていませんが、あまりハッピーな印象はなかったんですよね。ただ私共には子供がいなくて血縁で継承するというプランは立てにくかったので、そうすると廃業で自分が辞めてしまうか、第三者の方にバトンタッチするかという選択しかなかったので。その選択を考える中で、第三者継承をお願いすることになりました。
堀江:神子さん、第三者継承を知らない方もいると思いますが、どのように知る機会がありますか?
神子:多いのは、知人友人、またはこう医師会であったりセミナーであったり。あとは皆さまのクリニックに届く企業からのPRチラシなどが、知られるきっかけだったのではないかと。
堀江:今インターネットで調べれば有象無象に多くの会社があると思います。その中で「ここのお話を聞いてみよう」と思ったきっかけは何かありますか。
安江先生:ちょうど私の気力が萎え始めた時に、何ていうタイミングでしょうと思うぐらいダイレクトメールが私のポストに毎日のように、色々な所から届くようになりまして。その中でどの会社を選ぶかというのは非常に難しい選択でした。私は人形町で開業をしていたのですけれど、このメディカルプラスさんが小伝馬町にオフィスがあったということで。ファミリア感というか親しみを感じました。隣一つ向こうの駅の人ということで、何か困ったことがあったらすぐに対応してくださるのではないかという。これは思い込みかもしれませんが、そういう印象があって身近に感じたので決めました。それまではメディカルプラスさんの存在や、活動内容については全く存じ上げませんでした。縁というものですね。
堀江:メディカルプラスのドクターインタビューの動画を拝見していても、皆さまが、タイミングやご縁、お人柄といった要素を強調されています。皆さまがこれまで築いてこられた、本当に子どものように育てたものを譲り渡す。それはやはり(縁・人柄を)大事にされますよね。武石先生、この第三者承継という選択肢を知ったきっかけを伺いしてもよろしいですか。
武石先生:一回目(の継承)は先ほどお話ししたように、取引していた千葉の地方銀行でしたから。銀行さんではM&Aは、もっと大規模なものをやっていたようで、小さなクリニックというのは初めてだったみたいで。その地方銀行さんが、取引のある病院を全部回って歩いていたらしいのですが、なかなかいい話は聞こえてこない。随分気を揉みましたけれども、結局最終的には実は一番傍にある精神科の医療法人病院がやりましょうという話になったということで。ふたを開けてみれば一番近いところ、実は向こうも僕も向こうもお互いを知っているところだったということで。その間に色々と出さなきゃいけない資料や経営状況とか、こういうことを様々求めてくるのだなということを、正直勉強させられちゃいました。
今回こちら(メディカルプラス)にお願いする前にも4社ぐらいですかね、(企業に)声をかけて。それぞれクリニックを訪問してもらい、担当の方とお話しをする機会を設けました。クリニックには私の思いがありまして。子どもさん達に対して、入りやすく抵抗の少ないメンタルクリニック…子どものメンタルなので。そのため内装や設計などにもかなり工夫をして建築していました。ですから、そういう取り組みや工夫に気付いてもらえるかな?という期待もありながら来ていただいてというのがあってですね。見ていただいて、こちらの工夫をキャッチしてくださるか。残念ながらそこへの反応があまりなくて、数と収益だけでさっと来られると、やはり「ガクッ!」と来ちゃうわけですね。そこは「4社随分違いました」ということだけ、申し上げておきます。
堀江:神子さん的には(アドバイザーとして)先生の思いなどもちゃんと汲み取っていかれるのですか、コミュニケーションとして。
神子:まさに今武石先生がおっしゃられたとおりだと思います。売り上げだけではなく、今まで築き上げてきたもの、無形資産的なところをこう評価していただき、その方にバトンを繋ぐということが、お譲りされたい先生の強いお気持ちの中のひとつの要素だと思います。
堀江:山口先生が第三者継承を選択肢としたきっかけは?
山口先生:私は息子が医者で。「開業する?」と聞いたら、「しない」と一言で断られました。それで友達のドクターの息子さんが引き継ぐかなという話に一時的になりかけましたが、やはりその息子さんもまだまだ病院がいいということで。自分のタイムスケジュールと合う先生がいなかったということで、お願いをしました。
私も三社ほどにお願いしましたが、一社は今東京都医師会とタイアップしている企業がありますね。で、もっと有名なところがありますね。メディカルプラスさんは、一番最後で。たまたまネットを見ていた時にぱっと目に飛び込んできたので、電話をしました。一番最後。あまり期待しなかったところですけど(笑)
堀江:それがご縁でもありますよね。その中からメディカルプラスさんに決められたと。ちょっと前だと親子継承がもしかしたら当たり前だとは私は思っていました、お父さまがお医者さんだったら、息子さんが絶対に継ぐではないですけれども。やはり第三者継承っていうのがポピュラーになってきていますね。
質問➂「仲介業者はどのように決めた?」
堀江:「仲介業者はどのように決められたか」という質問です。私はやはりここが一番悩ましいというか、誰に相談したら良いのか分からない、またどんな人を選んだらいいのかという不安があると思います。安江先生はどのように決められましたか。
安江先生:初めての経験ですし、どなたが良いか悪いかも何も知識もないので。営業の方の熱意や誠意といったものが大きいと思います。全てをその方に託すわけですよね。その方(営業の方)が言う様に私はこの書類を揃えなさいと言われたら揃え、ここへ電話した方がいいですと言われれば電話をして。そうこうするうちに段々お互いに信頼関係というか、そういったものも芽生えますし。先ほどお話したように、実際近いところにオフィスがあるということで、非常に小回りが利く営業をしていただいたと思います。
あとメディカルプラスさんは良心的で、着手金がない。撤退しやすいということでもないですけども、あまりたくさんのお金をお渡しして、途中でちょっと違うぞということになってキャンセルということになると、そこでちょっと判断が狂うかなという気持ちも。そういう意味では非常に良心的な会社かなという。最初は本当かな?という感じもありましたが、選ばせていただいた理由です。
堀江:武石先生は、仲介の会社をどのようにして探されましたか?
武石先生:今安江先生がおっしゃったことは大きいと思います。どの段階で着手金をというのは。私たちもリスクを冒すことなく進めたいですし、実際お会いしてみないとわからないこともあり。書面だけで相手の方を見極められるかというと、難しいところがかなりあるので。そのあたりでは、一番話を進めやすい費用の組み立てというのがあったように私は思いますね。安江先生もおっしゃっていた通りあまり早い段階から決められてしまうと、こちらとしては縛られてしまってということがあります。相手の方もそうでしょうけども、私たちも感情が揺れ動く可能性があります。よかったかな?どうかな?というブレが出ますから。それをあまり早い段階で「もうこれで決まりです」というのはちょっときついですよね。
堀江:猶予期間は長かったりしますか。すぐに決めていただくのではなく考えていただく時間はあるのでしょうか?
神子:そうですね、やはりお会いしていただいた中でお互いの印象であったり、あるいは診療の内容がしっかり引き継げるのかであったり、複数の要素の中から後継者をお選びいただくというような格好で進めているような現状かな、と思います。
堀江:神子さんは、どういうことを大切にお話しされていますか。
神子:一番大切にしていることは、双方が望んでいることがしっかり相手方に伝わって、それでお互い歩み寄ることができるのかどうかというのは、非常に重要かなというように思っています。診療の内容もそうですし、患者さんへの配慮であったりスタッフへの配慮であったりですとか。これは先生方も心配されるケースが沢山あると思います。そういったところが引き継ぎ手の方が納得していただけるか、お互い合意できるかどうかなのかなとは思います。
堀江:ありがとうございます。山口先生はどうやって選定されましたか。
山口先生:買手紹介のところまでは、二社で進んでいました。それで、とある一社…もう一つの方なんですけども、「来週の月曜日に面談をしましょう」ということで日程が決まっていましたが、前の週の金曜日の時点で情報提供がありませんでした。面談相手がどういうところなのか、どういう法人で、どういうことをやってらっしゃるのか、それまでに再三教えていただきたいという話をしていましたが、教えていただけませんでした。ということで突然ですけれども「おたくとはもう」と、お断りのお願いをしました。少し感じることですが、この業界はまだ非常に若い業界なのかなと。営業をやってらっしゃる方というのが色んなことを知らない人たちが結構多く、自分たちが良ければいいのか向こう側を向いていらっしゃるのかというようなことがあって、非常に不安になったということがありました。メディカルプラスさんは比較的一生懸命でそういうことがなかったということで。最後まで話が進みました。
堀江:ありがとうございます。その相談する相手を教えてくれないというケースはどうしてだったのでしょうか。返事が来なかった?それとも教えられません(だったのか)?
山口先生:分かりません。一週間前から何回かメールで催促をしましたが。情報提供がないのであれば、やっぱり会いたくないというお話をしました。私たちも時間が限られているので、無駄なことは避けたいです。情報を知った上で、「この人ならお会いして譲る可能性があるかな」という運びでお会いしたい、そういう話をしたんですけれども、レスポンスがありませんでした。
堀江:必ずお会いしてみたいですよね。その相手先の情報は知っておきたいとは思うのですけれども、そこはちゃんと情報はお互いに両者交換はされるものですか?
神子:そうですね。基本的にはまず買い手側の先生の情報を、譲渡を検討されていらっしゃる先生方にお伝えさせていただいて、その上でまずその候補者の情報の中から、候補者となり得るのかどうかということを選定していただきます。その後初めて情報を開示するという流れになりますので、特殊なケースかなというふうには思います。
堀江:皆さまはメディカルプラスさん(の仲介)で継承されたと思うので、不安は全て解消された上でだと思いますが、これが一番大きく不安だった点をひとつあげるとすると?例えば事業者を選ぶ際に、一番大事にされていることは?
安江先生:事業者を選ぶ際にですよね?それはやっぱり営業の方の人格よりないです。それに委ねるっていう感じです。私たちは初めてそこでお会いするわけですし。でも話していると分かりますよね。何回か話していると、意欲であるとか誠実さであるとかそういったものはある程度汲み取れるかなということで。途中までは「やっぱり今度は断ろう、今度はちょっとあれしよう」ということは初めの方にあったように記憶はしておりますが、何回かお話しするうちに。やはり営業の方(の人格)が一番。
堀江:武石先生はいかがでしょうか。
武石先生:私はスピードというかテンポかなと思います。こちらでやり取りしていることは自分で見えていますけれども、向こうで営業の方が向こうの先生とやっていることは見えませんから、色々なことを考えちゃうわけですね。ですから何が動いているかということが上手にフィードバックされていると安心していられますが、何が起きているのかな?というのが長くなってくるとやっぱり気になります。テンポというかスピードっていうのは良かったよね。
安江先生:それは大事ですよね。私も人柄だけではなくてその仕事ぶりにも、十分満足しています。
堀江:山口先生は何を大切に選定を?
山口先生:おっしゃることは同じだと思います。全ての情報を開示していただいて、僕らが知らないで向こうで進んでいるものが何もないこと。僕らが要求していることにどういうふうに対応していただいてどういうふうに進捗していくかということを教えていただくこと。これがやっぱり重要なのではないか、と思います。
堀江:(メディカルプラスは)そこの情報もちゃんと開示をされて、お伝えされているのですね。
神子:その通りです。
質問➃「後継者の選定について」
堀江:それでは続いて「後継者の選定」についてです。神子さん、後継者の選定というのはどのような流れになっていますでしょうか。
神子:まず先生方に引き継ぎ手の候補者様の情報を一度お伝えさせていただきまして、先生方お譲りされる先生方がその候補者の情報を元に引き継ぎ手となり得るかどうかを、選定していただきます。選定していただいた後に情報開示をして、引き継ぎたいという先生方が現地見学あるいは先生方に面談をしたいということでありましたら、クリニックにお連れして直接面談をしていただくとなるような流れになります。
堀江:山口先生、何名の方と面談をされましたか?
山口先生:僕は少ないです、二人。
堀江:その二名(のなか)でお一人を決められた?
山口先生:そうです。
神子さん:山口先生、その二名の方はどんな先生方でしたか?
山口先生:まずお一人目の方と面談し、僕の方でも「この先生がいいですよね」と仮契約のところまで進みました。がその後、何故かお断わりをいただきました。クリニックで僕自身もやってきて自分の患者さんもいますので、継承後も僕も少し関与して「患者さんを週に一回か二回診たい」というお話をしましたが難しかったのか、お断りをいただきました。お二人目の方は「逆にそういうことをしていただいた方がうまく継承できていくのではないか」ということで、僕の考えと同じ考えがあったので、スムーズにその先生に決まりました。(最初の方は)僕の方からお断りをした形ではないです。
堀江:ありがとうございます。武石先生はどうでしょうか?
武石先生:私もお二人です。お一人目の方は「いいかな」ということでお話を始めたのですけれども、どんどん先方のスケジュールが早まってきまして。もう「すぐにでも」という形になり、あまりにも早すぎるため「ちょっとこれはついていけませんので」ということでお断りをし、今回の(決まった)方になりました。先ほどからお話ししていますが(児童精神科)は狭い領域です。そのことを理解してきてくださる方かな?という点を中心に選ばせてもらいました。
堀江:ありがとうございます。では安江先生は?
安江先生:私もお二人に見に来ていただきました。お一人は個人の男性の先生で、クリニックを案内し色々説明をして。前後してもう一件オファーがあり、こちらは個人ではなくて医療法人でした。質問も非常に具体的ですし、なさりたい方針がちゃんとあって、話がどんどん進む感じでした。行動力もあるし決断力もある先生です。この方は北海道札幌の医療法人の理事長が手を挙げてくださったようで、その先生が診療するのではないのですが、そういう非常に対照的な二件で、一件目は向こうからお断りになったのかな?私が考えている間に連絡が無くなりました。二件目の今譲受していただいた方が、非常に積極的におっしゃっていただいて、様々な提案があったので、進めていただくようにメディカルプラスさんにお願いした感じです。
堀江:神子さん、面談終了後はどのような対応をされるのでしょうか。
神子:まず面談の結果を双方の先生方からお聞かせいただいて、その印象調整であったり、また面談の内容で初めて生まれてくる疑問などもありますので、そこを含めてまたクリアにさせていただく中で次のステップ「基本合意契約」という契約を締結させていく流れになります。
堀江:お互いが思った疑問を伝え合う形ですか?
神子:実際ドクター同士でお会いしていただくと、診療の内容の細かな部分というのには、どうしても直接ドクター同士でないと伝えられない部分もあったかと思いますので、そういったところを面談事にお話いただいて、クリアにしていくようなケースも多いのかなと思います。
堀江:例えばその時に売り上げの部分とかもお聞きする?
神子:売り上げの部分は情報開示する際に事前にお伝えしています。ですので、売り上げのいわゆる患者構成といったような質問があるのかなと。例えば武石先生のケースでは小児科でも領域がありますので「どういった領域の患者さんが多いですか?」や、山口先生においては内科と呼吸器科ということですので、その割合などがあったのではないかな、と思います。
堀江:それこそ武石先生がされている子どものメンタル部分においては知識がある、またはご経験のある先生が最終的にお譲り受けたのですか?
武石先生:そうですね。やはり研修やその後の勤務でどういうところでお仕事されてきたかですとか、そういうことも含めてやはり領域をちゃんと知っていていただく方というのは、一番もとにはありました。
堀江:科によって同じ領域の方が譲り受けるというパターンが多いのですか?それとも。そういうケースではないこともあるのでしょうか?
神子:そうではないケースも中にはあります。やはり既存で標榜されている診療科目を全て継承することは困難ですから、その点において譲渡される先生にしばらく残っていただいて、経営をサポートしいただくというような形での継承、という形もあります。
堀江:そうなのですね。あと神子さんからお聞きしたいことは?
神子:ありがとうございます。お会いされた引き継ぎ手の候補者の先生方がいらっしゃるかと思いますが、当初皆さま先生方が希望されていた理想像と、実際お会いされて継承された先生方において差があったかどうか。その方をお選びになられたということなので、お会いした結果何か考え方が変わられたかということをお聞かせいただきたいなと思うのですが。安江先生(いかがでしょうか)?
安江先生:そうですね。診療内容は幸運なことに大体一致しました。内分泌というかホルモン治療が中心で、ピルであるとか更年期障害であるとか。産科よりむしろ婦人科系で私は診療していまして、後継者の先生もそういうのを中心にしたいということなので、特に理想と異なる点は無かったです。医療法人でしたが、あんまり細かいことはおっしゃらなかった。非常にありがたいなというお相手でした。
堀江:武石先生はいかがでしょうか。
武石先生:今の安江先生のお話ですが、実は自分の一回目(の譲渡)も、お相手が医療法人だったので非常に楽でした。本当におっしゃる通りで、全部分かっていて向こうは事務方から何からスタッフ揃っていますから、「はいやりましょう」で済みました。しかし個人の場合は違います。こちらは医療法人をお渡しする側ですが、お受けになる方は医療法人で開業することが初めてですし、そもそも医療法人をやること自体が初めてなので。まあいっぱいやることはあるのでというのはおっしゃっていました。今お話を伺うと本当にそうだと感じます。
後はそうですね、後継者の先生…児童精神科の領域で言いますと、私が教育を受けた年代(その)時と今の先生方とでは、色々考え方が異なります。先生方の現在のやり方に頭を合わせると、そういう風にやっていくのだなというのは身に染みて感じました。ちょっと古いところはあったかな、というのはあります。
堀江:山口先生はいかがですか?
山口先生:今考えたんですけどね、結局あんまりこちらから理想というかそういうことではなくて、法人・医療を継続していただいて患者さんを大切にしていただけそうな方であれば、いいかなという風に考えて。こちらからの要求はあんまりなくて、その「人」ですよね。人が良ければいいかなという風に考えています。あまり深いことは考えないで、それだけですね。
堀江:実際に会うことで、どうお人柄が大切となっていったか分かってきました。
~ブレイクタイム~ ちょっと雑談「辞めてまたすぐ理事長になった話」
堀江:先程先生方、休憩中に盛り上がっていました。皆さま笑いながら話されていて、今撮影が始まると皆さんちょっとかしこまってしまって。休憩中の方が座談会っぽいなと思いました。
山口先生:(笑)何の話をしていましたっけ?
武石先生:(山口先生の)現状の話です。
安江先生:(山口)先生はまだね、現役でいらっしゃるから。
山口先生:(第三者継承とは)関係のない話ですけれども、私が今年の2月いっぱいでメディカルプラスさんにお願いして、継承譲渡しました。ということで、理事長は外れました。で、フリーになっていました。そんな折の5月に、仲良くしていた後輩といいますか開業していた先生が、心筋梗塞で亡くなっちゃったんです。どうしようとなりますよね。うちの奥さんが「あんたやりなさい」と。結局、医者をすぐに見つけるというのがなかなかできないですから。理事長というのは兼任することができないのですが、僕は辞めてフリーになっていたものですから、理事長になれる。ということで、家族ぐるみの付き合いがあったこともあり急遽、連休明けから僕がそこで診療しています。
堀江:引退はされたけれども、今そこで働かれているということですか。
山口先生:僕はしんどくないわけではないですし、先程申し上げた通りそれこそ後輩じゃないけれども急に僕が死んじゃった場合に、そこのクリニックに通っている人たちがどうなるか分からないということがあるので、僕も今のところを譲ったのと同じようにそこの理事長もやめようということで。そこを継承ということで、残念ながらメディカルプラスさんではないですけども、今話が進んでいまして。もうじき僕ももう一度フリーになれるという状態です。だから彼にとってはどうか分からないけど、そのクリニックにとってはたまたま僕が理事長を辞めたからできたという、そういうめぐり合わせがあった。そういう話をちょっとしていました。
堀江:そういうお話は、あったりするものなのですか?
安江先生:あまりないですよね。
山口先生:引き継ぎに時間がかかってしまうと、そのクリニックが(下がってしまう)ので、患者さんもどこへ行っていいか分からないということがあるので、たまたまほとんどタイムラグがなくて引き継げたということが、その時にはよかったかなと思います。
安江先生:その時先生が(理事長を)されていたら、お引き受けはできなかったですものね。
堀江:その間もお忙しいですよね?
山口先生:はい。
武石先生:一言付け加えると、二カ所管理についてはものすごく厳しくて。たまたま僕ちょっと保健所にいたことがあるから分かるのですけども、ものすごく厳しいです。だから勤務医の先生は時間ないからそこを見るわけにいかないし、といってお友達の開業医の先生は管理されているのでフリーの方ってまずいないですから。本当に患者さんたちにとって、先生が動いてくださって良かったという風に思います。こういうことは滅多になくて、ちょっとでも噂があると二カ所管理はもうすぐ保健所が厳しく取り締まります。結構そういう縛りがありますから、本当に良かったなと思います。
神子:貴重なお話をありがとうございます。
質問➄「クリニック内の反応は?」
堀江:では「クリニック内の反応」です。長年に渡り病院の運営を支えてくださったスタッフに、院長がリタイアした後も働ける環境を用意したい。そういう思いでスタッフの継続雇用を希望される医院長は沢山いらっしゃるのではないでしょうか。スタッフと患者さんへの告知についてもお伺いしていきたいと思います。この辺、どうですか神子さん。順番的には皆さん、今が(伝える)タイミングですよというふうに教えてあげたりするのですか?
神子:スタッフへの告知は、基本的には最終譲渡契約を締結してからということで進めさせていただいております。その中で最終契約締結後に、初めて譲渡される先生と譲受される先生が直接やりとりをして、スタッフへの告知をどのようにするのか、患者さんへの告知をどうするのかということを各々の先生方でお話していただきます。よくご質問で「どのようにスタッフに伝えればいいのか、いつ伝えればいいのか、誰と伝えればいいのか」とお寄せ頂くケースがあります。ぜひ先生方にそのあたりをお聞かせいただきたいなと。
堀江:安江先生も、長年スタッフさんが働かれていたとお伺いしました。
安江先生:一番長い方で20年、あと短くて9年ですか。ずっとスタッフのチームワークも良かったですし、クリニックの雰囲気も良かった。私も本当に全幅の信頼を置いて任せきりにしていたスタッフだったので。
私が廃院ではなく第三者継承を選んだ理由のひとつに、スタッフの将来をどうするか、きちんとしなきゃいけないなというのがあったので、決めたことなのですけれども。例えば患者さんが半年後にクリニックを訪ねて、いきなり「安江がいない」ということでどうすればいいのかという、非常に戸惑いと心配不安があると思うのですけれど、スタッフが同じであればある程度は安心できるのではと。私も患者さんにある程度の道筋をお示しできるかなということで選んだわけで、私の場合は神子さんもおっしゃるように、本契約の前はもう絶対に一言も言ってはいけませんと重々言われていた形です。
神子:継承しようとされている先生方が検討されていることを、スタッフから周りに広がっていってしまうということで、スタッフがお辞めになる、また患者さんがその後にまさに安江先生がいなくなってしまうのであれば、違うところに行こうということになってしまうこともあります。
安江先生:だから結構ギリギリになって。契約をしたのが去年3月ですか、契約が済んですぐに私はみんなに経緯を説明しまして。残りたいのか、もう辞めたいのか、どうしたいのか。診療の形態がかなり変わるっていうことで、例えば(継承後は)土日診療もされるようになるし、夜間診療もされるということで、そこらへんがみんながついているのか希望するのかしないのかと。夏休みのことなど、みんな細かいことを聞きたがりました。私のわかる範囲では話して、次の先生にみんなの面談っていう機会を設けて具体的に色々交渉して、私からは間違いないスタッフであるっていうことも重々ご説明しました。できたらいい条件で雇用していただくっていう風にお願いしたような感じです。初めはスタッフもちょっと抵抗というかあまり(継続雇用を)希望しなかったり。でもお話を聞いて納得がいったようで、全員そのまま雇用していただくということになって、非常にありがたかったです。
堀江:皆さん本当に安江先生が本当に大好きで、残って。
安江先生:(新体制では)土日診療も行うということで、土日に働きたいという人いて。確かに多様性と言いますか、本当にいろいろですよね。やってみなければわからないな、という感じですね。
堀江:武石先生いかがですか?
武石先生:うちのスタッフはみんな臨床心理士で、パートで2日や3日ぐらいの形で、中には1日という方もいますし、月一度っていう人もいたりするような体制だったものですから、(スタッフが)他のところでもいろいろ勤めをしています。スクールカウンセラーとか色々している人達なものですから、継承される先生と会ってもらった時には「お伺いしているあの先生」というような話で盛り上がるような感じで。お願いしていたのは週4日の診療しかしてなかったものですから、それでいいかどうかっていうのは継承される方にお願いして、今までどおりのパターンでお願いしますということをお願いして了承していただけたので、継いでいただいたという形です。
堀江:その継承を今検討していることは、決まるまでは秘密に?
神子:そうですね。やはり情報を漏えいすることによって、譲渡される先生にご迷惑がかからないように、また譲受される先生においても医局の所属関係もありますので、情報を出すことなくトップ同士でお話をしていただくというようなやりとりを進めています。
堀江:なんとなく私の予想で「あ、誰かが見学に来ている」とか「(なにか)お話しをされているな」というのが分からないかと。
神子:まさにスタッフにおいてはそのように気づいてしまうケースがあるので、我々が引き継ぎ手の先生をご紹介する際には、スタッフがいらっしゃらない時間帯を選ばせていただいて、お連れするようなケースが比較的多いのではないかなと。
堀江:私なら、スタッフさんにすぐ相談したくなってしまいます。「今継承考えているのだけど、どう思う?」と、最初から相談したくなってしまいますが、そんなことはなかったですか?
安江先生:それとなく、やっぱりどういう風に考えているのか、みんなこのままずっと私と一緒にやるように考えているのかどうかということを、あくまで一般論として、打ち合わせや食事の時に話すことはありました。
堀江:ありがとうございます。山口先生、クリニック内の反応は?
山口先生:私は、色んな(仲介)業者さんに声をかける前から「やめるよ」と。「僕はここを2年ぐらいの間に辞めるつもりなので、いろんな業者さんにお願いをしているよ」と初めからオープンにしていたものですから。知らない人が面会に来て「あの人誰かしら」と言われて「あの人はこういうことだよ」と説明するなど、本当にオープンにしていましたので。皆も良い人が来てくれるといいですねといったニュアンスでした。クリニックの中では僕も歯車のひとつです。歯車が一つ変わるだけというニュアンスで考えているので、あまりクローズにせずオープンでいいかな、と僕は思っています。
堀江:オープンでもクローズともどちらでもOK?
神子:これにおいては、もう山口先生のおっしゃられる通り、お譲りされる先生の考え方次第だと思います。
堀江:どちらのケースが多かったりしますか?
神子:比較的伝えないケースの方が多いかな、と思います。やはり心配するケースの方が多いので。ただ山口先生のようなケースも私は経験させていただいております。それはそれで包み隠さず進めやすいのかな、ということもあると思います。
堀江:例えば急に院長先生が替わってしまうと、患者さんもびっくりされてしまうと思います。例えば譲渡される側の先生が非常勤で入られて「もうちょっとしたら変わりますよ」っていうことはOKですか?
神子:それにおいても引き継ぎ期間中にお譲りされる先生と譲り受ける先生でお話をして、どのタイミングで入っていただくのか、患者さんに告知をするのかというような流れをとっていくのが一般的かなというふうには思います。山口先生、いかがでしょうか?
山口先生:実は私のところは、クリニックの名前が変わっていないです。そして患者さんにも告知していません。要するに院長変更の告知をしていなくて、とりあえず僕も週に2回程(診療に)行っているものですから、患者さんとしては「先生歳取ったから減らしたんだね~」という感じになっていて。つい最近の事ですが、インフルエンザの予防接種のときに用紙がありますよね?そこに「院長〇〇先生」と書いてあるので「えっ?」って言う方が結構いて。「これね、ちょっと(院長)変わったのよ」と、そのタイミングで「僕も歳だからしょうがないよ」という話はしています。
堀江:いまだにもしかしたら山口院長だと思われている方もいるかもしれないですね。何でもオープンな形なのですね。
山口先生:誰が院長でもいいじゃないの、というようなニュアンスでお話をしています。
堀江:安江先生、患者さんの告知はどのようなタイミングで?
安江先生:私はもうクリニック命という感じで、患者さんと私の間(関係性が)が、どちらかというと非常に濃厚でしたから。今思えばやはり突然いなくなるというのは、患者さんには僭越ですけども、ちょっと申し訳ないなという感じはありました。
私が去年(2022年)の6月30日に「安江レディースクリニック」を閉院しましたが、7月1日から約半年と3ヶ月9ヶ月、非常勤で週一回から二回お手伝いするというオファーがあって。で、その間に患者さんに経緯を説明しました。それで私(安江)がいないのであればこんな遠くまで来ませんという患者さんには近い先生への紹介状を書き、「カルテもあるしスタッフもみんないるから、重篤なものでなければ続けられれば一番スムーズです」という説明を聞いてそのまま続けられる方もいらっしゃいました。患者さんへの配慮といいますか、ある程度の相談をする機会はあったので、その期間は本当に私にとっても心の準備期間にもなって、ありがたい実感でしたね。だからそんなに「話が違う」とか「騙された」とか、そういうような感じのトラブルは特にはなく、ある程度スムーズにいったかなと思っています。
患者さんはしっかりしていますから。その時はもう、涙なしではいられないくらいの別れ方はするわけですけれども、ちゃんとそれぞれのところでご自分に合った診療を受けられるようになりますので。
堀江:武石先生はどうでしょう?
武石先生:そうですね。先ほどお話ししたように2回目ですから。1回目の千葉のクリニックから東京へ移る時、その時にも「65歳だから引退するよ」と言っていたのですけれど。そしてまた(診療)やっちゃっていたわけですけど。その時に千葉から東京までついてきた方(患者さん)で「ずっと」という方は本当に少ないですね。一年ぐらい半年ぐらいでやっぱり(地元のクリニックに)戻りますということで、紹介状を書いた方達が多くて。皆さん元のところできちっとやっている方が多いですから。そんなにこちらが思い入れてしまってはいけないな、というのが、一回目の継承のときの教訓です。ですから二回目は、今(安江)先生がおっしゃってように人もさまざまで。例えば児童精神科今クリニック自体少ないですから「ここしかないからもう来ます」とおっしゃる方から、やっぱりいろいろ(もう)話したから、ということをおっしゃる方までさまざまですけれども。今はみんなちゃんとやってくれているはずだと思いながら、毎日を暮らしています。
堀江:本当に今まで蓄積されてきた信頼を全部譲渡するわけですから、本当にその譲渡した方々の信頼のもと、積み重ねも大事になってきますね。
質問➅「引継ぎはどのように?」
堀江:この「引き継ぎ」という期間がとても大事になってくると思います。大体平均するとどのくらいですか?
神子:ケースで多いのは、やはり3か月から半年程度の期間を経てなんですけれども、これもケースバイケースで、お譲りされる先生とお引き継ぎされる先生との関係性の中で決めていく、というような事になってくるかと思います。
堀江:引き継ぎはどのくらいの期間で行いましたか、安江先生。
安江先生:そうですね、私は9か月。辞めるというお話をしてから「まだいるんですか」っていう風に思われたかもしれません(笑)。9か月間、週に1回から最後は1か月に1回。半年ぐらいは2回ぐらい現地で非常勤の診療をさせていただいていました。だからそのオファーは非常に私にとってはありがたい状態で、本当に患者さんに説明する時間もありましたし、それぞれ納得のいくようにできるだけのことをして差し上げる準備期間でしたので、良かったなと思います。
堀江:では武石先生はどのくらいの期間?
武石先生:私はもう全くスパッと渡してしまっていますので、クリニックに顔を出して診療することはしていないです。ただ事務的なことですね。時々「コンピューターが動かない」とかで、メールが来たり電話が来たりでやり取りをするというのが、まだまだ10月末に引き継いだばかりですので続いています。暫く当然これはしなくてはいけないことだと思っております。
堀江:武石先生は10月末に継承。ご自分の医院に行かれたりはしませんか?
武石先生:一切行っていません。休診日に、見つからないですとか、あの書類はどこですかとか、「先生どこに隠したんですか」とか(笑)。自分ではどこに置いたか分からないこととか…それで言うと色々なパスワードの類ですよね。それからメールアドレスとか。もう少しちゃんと管理しておけば良かったなと今非常に思っているところです。もし継承お考えの先生は、その辺きちっと一覧表を作っておかれるといいと思います。
堀江:神子さん、そこに関してアドバイスというか何かありますか?
神子:よくお引き継ぎ期間というものを設けている中で、まさに武石先生がおっしゃられるとおり、いろいろな引き継ぎをさせていただきます。診療もそうですし、事務的なことの引き継ぎの中でこういったパスワード関係を、実は我々も先生方にヒアリングをさせていただいて、こういった資料をまとめておいてくださいというようなことをさせていただきますが、御苦労される先生方もいらっしゃいます。
堀江:個人のパスワードですら、忘れてしまったりもしますよね。
神子:ちなみに武石先生、譲渡契約からクロージングまでお引渡しの期間はどのくらいでしたか?
武石先生:あれはどれぐらいでしたっけ。半年はあったでしょうか。ちょっとよく覚えてないですけれども。スタッフと継承された先生が会っていただいたのはたしか9月の頭だと思いますから、じゃなくて8月かな?そこから3か月ぐらいで色々やっていたと思います。
神子:その期間中、引継される先生が武石先生のクリニックに来られて、何かこう非常勤で勤務され
るなどは?
武石先生:それはなかったです。(後継の先生は)いろいろなところで飛び回っていらして忙しくて。なかなかその時間が取れずに。ですから、本当に数回お会いして何かお話ししてという感じでしょうか。
堀江:山口先生はいかがでしょうか。
山口先生:僕は今も行っているわけで、徐々にフェードアウトしていくことになると思いますけれども。いつ引き継ぎが終了するかということに関しては、向こうの先生が「もういらないよ」といつ言ってくるかにかかってくると思います。患者さんを引き継ぐということに関しては、1か月ぐらい前から非常勤で週に1回か2回診察室を2つにしていたものですから、こちらの診察室で新患をおもに診ていただいてコンピューターに慣れていただこうかということをやっていました。ただ武石先生おっしゃったとおり、それ以外の引継ぎ事務的なこととか、それから銀行口座のことですよね。こっちの支払いがどこにある、いつどうなっているかなどが結構煩雑で、もう9か月ぐらい経っていますからね。それでもまだ引き落としの場合ですね、1年に1回の引き落としなんかでちょっと困るということも、まだありますね。だから引継ぎは結構、そういう事務的なことについては、何か済んだようでいて「あっ」ということはあるかもしれません。そういうふうに思っています。
堀江:事前に準備しておくことが、事務的作業には多そうですね。
質問➆「ズバリ!今だから言えること」
堀江:ズバリ、「今だから言えること」もお聞きしていきたいと思います。
神子:先生、例えばこう、アドバイザーを最後まで信用できるかどうかであったり、あるいは後継者の方に対して最後までこの不安は消えなかったというようなことであったり。そういった何かご苦労みたいなところがあれば、または実はクリニックを継承するためにこんな準備を事前にしていた、そんなようなことがあればお聞かせいただきたいなと。
堀江:安江先生、いかがですか。
安江先生:メディカルプラスさんに対する不安感・不信感というものはほとんどなくて。これがそれに当たるかどうか分からないですけども、私自身のことで。基本合意契約が終わってビルのオーナーの契約の話です。私は、契約というものはもう譲受してくださる方との契約ばかりに集中していましたので、ビルのオーナー(との契約)が大事だっていうのを知らなかった。
堀江:(頷く武石先生を見て)先生も思い当たる点がありそうですね。
安江先生:その時知った事は「定期借家」と「普通借家」という言葉を知らずに私は三十年近くずっと2年契約で、もう自動的に契約更新契約更新としていて。ある年などは契約書を作らないで、先方も忘れ、私も忘れ。そういう関係性の中でお支払いをしていたんです。
このたびそのオーナー、四社目のビルのオーナーさんですね。賃貸のそこは元々そのビルを建て替える為に買い取ったということを知らずに、その仮契約みたいのが終わった後、担当の人と今度クリニックのその主体が変わりますと、ご挨拶に一回行っておかなきゃ駄目ですねっていう感じで、アポを取って御挨拶に行ったくらい。
そうしたらその時に初めて「定期借家だと今度契約する時は(期限が)2年」だと言うことが分かりまして。(契約できるのが)2年とちょっとで、その後はもう契約はしませんということを、もうほぼ色々なことが決まってから言われて「ええっ」という感じでした。定期借家ということは、その方が借りてくださらないだけではなくて、誰でも2年間しか開業しないできないのであれば、来たがりませんよね。
で、私はもう奈落の底に突き落とされたような感じで、一昨年の暮れから1月はもう本当に落ち込んで、もう駄目だという感じでした。だから今だから言える事としては、相手の方との交渉、プラスその賃貸のビルの事もきちんと理解していないと駄目、というところですね。
堀江:それはどういう風に最終的に対応されたのですか。
安江先生:もうそのまま、こちら側はそのオーナーもビルのオーナーも、新しく譲受してくださる方と契約をしなければいけないわけです。多分その後契約したわけで。その時に多分話されるから別に私たちは嘘を言っているわけではない、言わなかっただけという形でそのまま進めました。でも私としては、もういつキャンセルになるかと、非常に不安でした。それが印象に残っているというか、もうそれしかないぐらいストレスでした。
堀江:武石先生もうんうんと頷きがあったと思うのですが。
武石先生:一回目はなにせ、継承してくださる方、もう医療法人で、私は医療法人を渡さずにクリニックの土地建物を不動産としてお渡しする、で患者さんもついているよというようなどちらかというと、不動産売買に近いような形で継承でした。今回の場合、ちょっとそこのところではもう医療法人ですから、法人としてその借りていたビルはビルのオーナーさんが一番上に住んでいてということで法人契約ですから、固いことを言えば代表が変わったって法人は法人でしょうという言い方はできるのですけれど、ただやっぱりエレベーターで時々乗り合わせると「よろしく」とやっていたものですから、やはり向こうとの繋がりもあるもので、やっぱり実は譲渡するということで…とお話ししたら、「今まで先生の顔があるから値上げしないで来たけど、今回そういうことならしますから」という話が来まして。ちょっと目の前がこう…(笑)
安江先生:それは新しい方にはまだおっしゃってなかった?
武石先生:いよいよ話が出るところになったら、それが出てきて。で、色々やっぱり今と同じ形の診療形態でやってほしいとかですね、ちょっと条件幾つかありましてね、それをお話ししてという調整がだいぶ苦労してくださったとも思うのですけれども、何とかなりましたけれども、ちょっとやっぱり継承されるからから言えば「この値段で」と思っていたものが上がりましたから。ちょっとやっぱりそこは暫くの間心配でしたね。
堀江:家賃というかそこの部分ですよね。
武石先生:だからテナントでやっている場合は、もう一つ大家さんというのが大事ですよね。
安江先生:念頭になかったですね、その部分が。オーナーに関しての配慮ということですよね。ただ、中の入れ替わりだけだって思っていたら、大きな間違いでした。その辺をはじめにきちんと措置をされないと。でも新しくバトンタッチした方は、その2年とすこしでも良いという最終的な納得で借りていただくということになりました。
堀江:さまざまな思いがあったと思いますが、やっぱりそのオーナーさんがそこでずっとされていたと思うので、不動産会社も信頼してというのがあったと思うのですけれども、最初はそこをちゃんとチェックするのも大事なのですね。本当に貴重な話をありがとうございます。山口先生ズバリの話ございますか?
山口先生:基本的にはじめに申し上げたとおり予定を組んでいて。聞きかじりで、第三者が継承をする時に個人でのクリニックよりも法人クリニックの方がいろんな意味でスムーズに行くという話を聞き、5年前に法人化しました。5年経ったらいろんな税法上の問題もある、5年たったらということで、ちょうどその時期が来たのでということだったのですけれども。今のお話を聞いてああそうかと思った。不動産屋さんに僕も電話をかけて今度理事長が交代しますどうしますって来たら、じゃあ覚書書いてくださいとそれだけで結構ですって、その不動産はそれでおしまいになりました。確かに不動産さんに事前にお話をしておくことが必要だろうと思いますし、そのほかのこと、色んなことで、法人で譲渡した方が個人でずっと続くよりもいろんな手続きが煩雑でないのかなという印象は受けていますよね。本当はどうかちょっと教えていただきたいですけども、法人化して良かったのか個人でも全然問題なかったのかどうなのか。
神子さん:それで申し上げますと、お譲りされる先生においては、法人化されていらっしゃる方が比較的包括継承ということで契約を巻き直すことがございませんので、お譲りしやすいのかなというふうに思います。
逆に法人で譲り受ける側の先生においては、その法人の経営の煩雑さというところに、やはり最初面を食らうではないですけどもいろいろと教えを請う必要があるのではないかなという風に思います。
一方で個人事業においては、もうやはり全て契約者が売主様とオーナー様、テナントでいうオーナー様が契約者でありますので、その契約を解除して今度新しく個人の引き継ぐ先生が契約をし直します。そこにまさに安江先生であり、武石先生が御経験された契約を巻きなおす瞬間に契約の内容を見直しされるようなケース、なんと言うか 問題ではないですけども、障壁があるようなケースというのはあるのかなという風に思います。
我々はアドバイザーとして事前にそのようなところをお伝えさせいただいて、早めに確認をしていただくというところもサポートもさせていただいているかなと思います。
質問➇「今後のご活動は?」
堀江:安江先生は、今も働かれていますよね。今後のライフプランについてと、ご活動についてもお聞きしてもよろしいですか?
安江先生:私は週に2回だけで。今までとは比べ物にならない時間なので、働いているうちに入るかどうか。ほかの先生方に比べると。
そういう(医療との)関わりは何かの形で持っていたいなとは思うのですが、許されるならばあと5年ぐらいはそういう形で勤務して、あとはそうですね。それこそ月並みですけれど、旅行ですとか、色々な余暇を楽しみたいなと思っています。
堀江:あらためまして、何年院長をされ、何年前に継承を?
安江先生:31年やっていました。2022年の7月1日からお譲りしたという形になります。
堀江:生活もガラリと(変わられましたか)?
安江先生:曜日の感覚が本当になくなってしまって。戸惑ってやっと慣れてきたかなという感じです。
堀江:先程皆さんこう楽屋というか休憩している時でも、やっぱりこう完全に引退はできないよね、という話で盛り上がってらっしゃいましたよね。
安江先生:そうですね。医療しかないので私には。関わっていたいなという気持ちがあります。
堀江:あと患者さんともこうつながりが深いと思うのですけれども、そういう患者さんとコミュニケーションとる場所とかもあったりしますか?
安江先生:今はもう外来を一コマさせていただいているので「安江レディースクリニック」から診ていた患者さんが来てくださることもまれにありますし、それなりに充実しております。
堀江:武石先生は今後の活動はどうでしょう?
武石先生:初期研修も千葉の方の病院で。千葉に思い入れがあるので、前々から千葉でちょっと田園生活したいなと思っていまして。ちょうど中古の家があったものですから、田舎の方に買ってあったんです。そこで家庭菜園でも…とは思っていましたが、こう「いよいよだ」となってみると、「そんなことよりもやっぱり仕事を続けたいな」という。少しでもやっていた方がいろんな点でいいかなと感じ出しまして。
今ちょっと準備をしていまして、来年早々には小さなクリニックをやりたいなと思っています。たまたま自分の専門領域が、なかなか今受診ができないような状況にある児童精神科なものですから。それで少しでもお役に立てたらいいかなとで、自分のためにもということで、先生(安江先生も)仰っていましたけれど、あと5年ぐらいは何とかやりたいなと。今度は5年を目途にうまく区切りがつくようにしておかなくてはいけないので、工夫はいるなという風には思っています。
堀江:その小さなクリニックも子供達?
武石先生:そうですね、やりたいと思っています。
堀江:その子供達もやっぱり先生のところに行きたいという声があるのでしょうか?
武石先生:そうですね。(児童精神科は)親御さん達が一生懸命探してもなかなかない現状があって、ですから、少しでもやれるならお役に立った方がという気持ちはやっぱりあります。それと自分のためもあります。何もしないでいるのはとてもいられない。
堀江:今、結構本屋さん 行くとFIREして、もう働かなくてもいい人生を過ごそうなんていう本も結構見かけますが、そんなことはないですね。
武石先生:クリニックにいた時に児童の親御さんたちは色々な方が来られますが、中には外人さんもいらっしゃって。で「引退です」と伝えたら「コングラチュレーション!」って言われました。向こうから握手を求めてきて良かったなって言われるので、どうしてと聞いたら、向こうの人は一生懸命働いた後はリタイアと。
安江先生:そう!「ハッピーリタイア」って。みんなハガキやカードをいただきますね。向こうに住んでいる方は、リタイアが目的だそうですよね。
武石先生:「なんでお前そんな悲しい顔しているの」と言われて(笑)
安江先生:貧乏性なのかな(笑)
堀江:確かに最近ですと、私の方でも早くリタイアしたいという同世代が多かったりもしてきていて。山口先生いかがですか?
山口先生:先ほども申し上げましたが、3月から4月いっぱい、あまり何もない状態が続いたんですね。週に3日ぐらい何もしない日が出てきて。結局退屈で退屈で死にそうだ、何をしようか、どうすればいいのかと。何か旅行でも行ったりすればいいのでしょうけれど(旅行も)行かないし、家でゴロゴロしているというそんな生活でした。
これが9月からまた忙しくなり、今度12月いっぱいでもっと暇になる予定ですけども。うちの娘の婿さんがフランス人で、娘にセミリタイヤという話をしたら「もうお前のお父さんはワークホリックだから絶対ダメだよ」って(笑)。向こうのお父さんは僕より五歳ぐらい若いですけども、世界中をお母さんと一緒に旅して今満喫している。やっぱりフランス人とかってすごいなと思って、僕は1月からどうしようか悩んでいます、本当に悩んでいます。
堀江:その世界一周行きたいですか?
山口先生:あんまり僕、旅行好きじゃなくてね(笑)
神子:お譲りされた先生にも、やはりさまざまいらっしゃいまして、地方で山を買われて山を開拓されるような先生もいらっしゃれば、海外旅行をクルーザーで海外旅行される先生もいらっしゃいますし、またお譲りされた後に診療を継続非常勤なりで勤務してというやっぱりそれが生きがいだっていうような先生もいらっしゃるので、ぜひぜひ先生方何か次の目標を決めていただいて、進めていただければ良いのではないかなと。
堀江:人生百年時代で寿命も15年ずつ伸びているという風にお聞きしましたので、今後ともよろしくお願いします。座談会は以上で終了なりますが、私自身、こうしてお話をお聞きして皆さま本当に院長を長年務められていて、そして地域の方のことも患者さんのことも、そしてスタッフさんのことも本当に大事にされているということはすごく分かりました。ありがとうございました。
神子:本日は貴重なお話をありがとうございました。メディカルプラスとしては、今後も第三者継承でお悩みになられていらっしゃる先生方に対してサービス提供させていただきたいと思っておりますので、引き続きどうぞ守秘義務もしっかり守りながらサポートさせていただきますので、何かありましたら是非是非ご相談ください。
堀江:本日は第一回目の座談会ということで誠にありがとうございました。