STORY 02 未来へつなぐ医療 ~地域とともに歩む継承の物語~
第7章 運命を変えた一本の電話

創業からまもなく、佐藤内科から思いがけない連絡が入った。恵三が診療中に倒れ、救急搬送された。

幸いにして症状は軽い心筋梗塞で、5日で退院できる状態だった。しかし、この出来事は恵三に大きな決断を促すことになる。

退院から数日後、濵田は恵三の自宅を訪れていた。「あと2、3年は続けるつもりだった。しかし、自分が倒れたら後継者を探すのも難しくなる。家族に迷惑をかけないためにも、これを機に引退しようと思う。」と恵三は話した。

10日間の休診後、クリニックは再開された。休診中も職員が交代で出勤し、患者からの電話対応や来院者への説明を行っていた。そのため、大きな混乱は避けられた。再開初日から、多くの患者が来院。地域における佐藤内科の存在意義を、改めて実感させる光景だった。

第6章 創業 ~可能性への挑戦~ 前の章へ
第8章 後継者探し ~希望への道のり~ 次の章へ

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