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クリニック継承開業で失敗しないための7つのポイント

  • 医療継承コラム

こんにちは、メディカルプラスです。本日は、これから継承開業をお考えのドクターを対象に「クリニックの継承開業で失敗しないための7つのポイント」というテーマについてお伝えします。

開業医の高齢化による売り手側の継承ニーズの増加と、開業適地の減少に伴う買い手側の継承ニーズの高まりにより、クリニックの継承開業は年々増加し続けています。
本記事をご覧の方の中で、クリニック開業を考えている方は、新規開業と合わせて継承開業も検討されている方は多いのではないでしょうか。最近では、クリニックの事業継承を仲介する会社の増加も相まって、インターネットで検索するとさまざまな継承案件の情報が手に入ります。案件情報が多すぎて、一体何を基準に継承案件を決めれば良いのか、お悩みの方も少なくないと考えています。

本記事では、継承案件を選ぶ際のポイントについて詳しく説明いたします。これからクリニックの継承開業を検討されている方のお役に立てれば幸いです。

立地条件と診療圏

クリニック経営において、立地は来院患者数に直結する重要な要素です。継承開業は新規開業と異なり、現状の患者数がエビデンスになりますが、診療圏の客観的なポテンシャルを把握し、現状の患者数と比較することで、クリニックの強みや弱みを理解することができます。これらを把握することで、現状の患者数が上限に近いのか、まだ伸びしろがあるのか、といった判断に役立ちます。具体的には、以下のような点について調査すると良いでしょう。

●商圏人口と年齢構成
●交通アクセス(最寄り駅からの距離、バス路線、駐車場の有無)
●競合医療機関の数と専門性
●地域の将来的な発展計画

理想的には、人口が増加傾向にあり、内科や整形外科であれば高齢化が進んでいる地域が望ましいでしょう。また、大型商業施設や住宅開発の計画がある地域も、将来的な患者増加が期待できます。

成功するクリニック開業立地えらびのポイント

財務状況

次に、継承するクリニックの財務状況を把握します。財務状況を正確に把握するためには、以下の資料を確認するようにしましょう。

●過去3〜5年分の決算書の分析
●月次の収支推移
●患者数と診療科目別の収益内訳
●固定費と変動費の構造
●借入金や未払金の有無

上記資料を入手したら、収益が安定しているか(売上は増加傾向か、減少傾向か)、患者数の変動はあるか、複数標ぼうがある場合はすべての患者を引き継げるか、引き継げない場合、どの程度の減収が見込まれるか、突出した費用がないかなどをチェックします。固定費が高いと、継承後に患者数が減少した場合、資金繰りを圧迫する要因になります。また、過去の設備更新の履歴も確認し、近い将来に大きな支出が必要になる可能性がないか見極めましょう。

クリニック譲渡・継承のための必要書類や資料とは?

医療機器と内装の状態

クリニックの医療機器や内装は、継承後の運営に大きく影響します。

●医療機器の種類、年式、メンテナンス状況
●内装の状態と改装の必要性
●ITシステムの導入状況(電子カルテなど)
●バリアフリー対応の有無

古い設備や内装は、継承後すぐに更新が必要になる可能性があります。これらの費用を事前に見積もり、継承価格の交渉や資金計画に反映させることが重要です。

スタッフの状況

優秀なスタッフの存在は、スムーズな継承と安定した運営に不可欠です。今後ますます人材の採用が難しくなる時代において、慣れたスタッフの引き継ぎは医院継承の大きなメリットです。スタッフの状況については、以下のポイントをチェックしましょう。

●スタッフの人数と職種構成
●勤続年数と経験
●給与水準と待遇
●チームワークや雰囲気

可能であれば、前院長から現在のスタッフへ継承のことは伏せつつ、今後の勤務継続についての意思確認をしておくと良いでしょう。特に、ベテランの看護師や事務員の存在は、スムーズにクリニックを継承するうえで重要なポイントになります。また、継承後に新たな職員を採用することを想定し、これまで前院長が求人募集をかける際の募集媒体や応募状況についても確認しておくと良いでしょう。

患者層と地域の関係性

継承するクリニックの患者層と地域での評判を把握することは、将来の経営を左右する重要な要素です。

●患者数と年齢層
●固定患者の再診日数
●新患割合
●近隣医療機関との連携
●地域住民や他の医療機関からの評判

長年地域に根ざしたクリニックであれば、強固な患者基盤があるはずです。ただし、前院長の個人的な信頼関係に基づく部分が大きい場合、継承後に患者が減少するリスクもあります。また、新患の割合が少ない場合、新患を増加させることができなければ、継承後の患者数が減少していくリスクがあります。近隣医療機関との連携については、紹介先の病院やクリニックの有無、連携病院からの逆紹介の有無や件数についても把握しておくと良いでしょう。

地区医師会の加入スケジュール

クリニックの継承開業には、保健所や厚生局への届出をはじめ、さまざまな法的手続きが必要です。なかでも健診や予防接種を行っているクリニックを継承する場合、医師会へ加入するスケジュールを確認しておく必要があります。

地域の健診や予防接種を行う場合、地区医師会の会員になる必要があります。開業初年度から健診と予防接種を行うには、いつまでに医師会員になる必要があるのか、医師会加入に要する時間を事前に確認しておくことが重要です。確認を怠ると、最悪のケースでは開業初年度に予定していた健診と予防接種を行うことができず、売上が大幅に減少してしまう可能性があります。地域の保健所や医師会に事前に相談し、必要な手続きと所要期間を確認しておきましょう。

譲渡条件の確認

最後に、譲渡価格をはじめとする譲渡条件を確認してください。ここまで挙げてきた6つのポイントの他に、案件ごとに個別条件があるケースがあります。個別に設けられる条件の一例として、以下のようなものがあります。

●譲渡価格(土地・建物、医療機器、のれん代など)
●支払い方法と支払時期
●引き継ぐ債務の範囲
●前院長の関与(一定期間の診療継続など)
●医療過誤の有無
●競業避止義務の有無

譲渡価格については、これまで検討してきたポイントと比較して妥当な価格であるか、また譲渡価格の内訳についても確認が必要です。譲渡価格が適正かどうか判断がつかない場合は、税理士や専門のアドバイザーに意見を求めると良いでしょう。支払い条件についても、クロージング時に一括払いで良いのか、契約時に一部契約金が必要かによって、資金調達の時期や方法を検討する必要があります。前院長が継承後も一定期間継続勤務を希望する案件もあるため、その場合、前院長が残ることによる経営への影響を、運営と収支の両面から検討する必要があります。競業避止義務については、なかにはクリニックを継承して、前院長が近くへ移転開業するというケースもあります。その場合、想定していた患者数を引き継ぐことができず、収支に大きな影響を与える可能性があります。こうした案件ごとの条件の有無と内容について、しっかりと確認することが重要です。

まとめ

クリニックの継承開業は、医師としてのキャリアを大きく左右する重要な決断です。上記のポイントを押さえた上で、自身の診療理念や将来のビジョンとマッチするかどうかを慎重に見極めることが、成功への近道となります。

また、こうした判断には専門的な知識と経験が必要です。税理士、社労士、弁護士などの各専門家の助言を聞き、多角的な視点から案件を評価することをお勧めします。各専門家の助言を得ることで、見落としがちなリスクを事前に把握し、より確実な意思決定が可能になるでしょう。

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