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こんにちは。メディカルプラスです。
今回は「クリニック開業は何歳で?~開業する年齢について~」をテーマにコラムを展開いたします。医師になった多くの方が、将来的にはクリニックを開業したいという夢を描かれたことがあるのではないでしょうか。しかし、クリニックを開業する際には医局の制約、家族の事情、資金面など、検討すべき要因が多岐にわたり、何歳で開業することが適切なのかに明確な答えがありません。
今回の記事では、医師として勤務中にクリニック開業を検討しはじめる際の動機、開業医の平均年齢、勤務医と開業医の年収の違い、開業年齢に伴うリスクについて、データをもとに解説いたします。ぜひご一読ください。
開業を考えるきっかけ
日本医師会が2009年に実施した「開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査」(複数回答可)によると、クリニックを開業するきっかけ(動機)は、「理想の医療の追求」「将来に限界を感じた」「経営も含めたやり甲斐」「精神的ストレスに疲弊」「過重労働に疲弊」「家族の事情」「労働条件が魅力的」「親族からの要請」「収入が魅力的」「所属教室等から要請」が挙げられます。
*出典:日本医師会総合政策研究機構 開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査
*参考:開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査 | 日本医師会総合政策研究機構 (med.or.jp)
これらの中で最も多かったのは「理想の医療の追求」で、全体の42%以上を占めました。
現在の勤務環境では実現できない医療を提供するために開業医を選択する医師が多いことがわかります。患者さんと人間関係を構築して最適な医療を提供したい、もっと丁寧に診療したいなど、現在の勤務環境ではできないということが多く、不満解消の選択肢として診療方針や診療内容を自由に決めることができる開業を意識するのでしょう。
クリニックの開業医は、勤務医に比べて高収入を得ることができるというメリットがあります。そのため、これらの理由から開業を検討する医師が多いようです。
開業医の平均年齢
次に開業医の年齢についてみていきたいと思います。同調査の資料によると、アンケート回答者全員の新規開業時の平均年齢は41.3歳というデータがあります。また、新規開業5年以内で回答された平均年齢は44.9歳、開業30年超えで回答された平均年齢は37.5歳であることから、開業される先生の平均年齢は年々上昇傾向であります。
*出典:日本医師会総合政策研究機構 開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査(P3)
平均年齢が上昇している要因として考えられるのは、ハイレベルな現場で医療に携わりたい、手技の研鑽、専門医の取得、開業資金の準備などさまざまなケースが考えられます。
勤務医と開業医の年収の違い
厚生労働省が2021年に発表した「第23回医療経済実態調査」の報告によると、病院勤務医の平均年収は1,468万円、開業医の全体の平均年収は2,699万円で、病院勤務医と比較して約1.8倍以上の年収を得ることができます。
ただし、年収が多い反面、開業医は経営全体の責任、過重労働・精神的ストレス、健康問題、人事労務、資金繰り、地域貢献、医師会活動、患者さんとの関係性など経営者としてさまざまな経営負担がかかります。
開業医の年収についてはこちらのコラムをご参照ください。
開業年齢のリスク
次に開業する年齢におけるリスクについて考えて見たいと思います。
ストレートに進めば最短24歳で医師免許を取得、2年間の臨床研修を経て理論上は26歳で最短開業は可能なのです。
しかし、研修直後では臨床経験が少ないですし、患者さまとの関わり方も経験が浅いため、成功まで苦労されることは目に見えています。
また、開業するための手元資金がないこと、診療経験の少ない研修を終えたばかりの医師が金融期間から資金調達するハードルも高いです。
一方、高齢開業となりますと、医療の知識や経験はもちろん、社会経験も豊富なため、社会的信用能力もあり、患者さまとのコミュニケーション能力も十分だと思います。半面、身体的衰えから若い時のように身を粉にして働くことは難しく、クリニック経営可能な期間も考慮が必要になります。また、金融機関への返済期間を制限されることも考えられます。
開業年齢は慎重に検討を
クリニック開業をご検討される際は、まず勤務医と開業医のメリットとよく理解した上で慎重に検討する必要があります。
勤務医でいることのメリットは、以下のとおりです。
●診療所の経営やスタッフの管理などの負担がない
● 定年まで安定した収入を得ることができる
開業医になることのメリットは、以下のとおりです。
● 自分の考えで診療方針や診療内容を決めることができる
● 勤務医に比べて高収入を得ることができる
● 定年がない
何歳で開業することが本人にとって良いのかは、開業を検討するきっかけや年収、家族構成、働き方などによって異なりますので、開業するきっかけや目標が明確にあり、収入や働き方など現職場環境に満足できず変化が必要だと感じている場合は、早めに開業する方がよいでしょう。
ただし、競合となるクリニックはたくさんありますし経営的な負担もありますので、開業までに臨床経験積みながら開業資金を準備もしなければなりません。クリニックの事業継承であれば、自身のやりたい医療を提供することができ、投資額を抑えることもでき、かつ、安定した収益を確保することが可能となりますので、選択肢として事業継承をご検討されることをおすすめいたします。
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