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こんにちは。メディカルプラスです。
本日はクリニックの開業を検討中の先生方に向けて「継承開業とは?」に応えるため、継承開業のメリット・デメリット」についてお伝えいたします。
まずは本題に入る前に、近年の診療所に従事する医師数や年齢についてお話したいと思います。
厚生労働省の調査「医師・歯科医師・薬剤師統計」概況によると、診療所に従事数医師の平均年齢は平成22年から令和2年の10年間で、58.3歳から平均年齢60.2歳まで上昇しています。また診療所に従事する60歳以上の医師数も40,205人から55,157人まで増加しており、診療所における世代交代が進んでいない様子が伺えます。
【参考】厚生労働省提供「医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」
平成22年(2010)年度度統計:7ページ(表2)
年齢階級、施設の種別にみた医療施設に従事する医師数及び施設の種別
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/10/dl/gaikyo.pdf
令和2(2020)年度度統計:6ページ(表3)
年齢階級、施設の種別にみた医療施設に従事する医師数及び施設の種別
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/20/dl/R02_1gaikyo.pdf
医師の世代交代はなぜ進まない?
世代交代が進まない理由としては、
●医師社会においては「定年退職」という概念が薄い
●自分の代で「閉院」するため
●何らか「事業継承における課題」があるため
などが考えられます。
そもそも医師は医師免許を保有している限り、働き続けることが可能です。定年退職という概念が薄いため、開業医であれば「自分は生涯現役を貫く」といった志を持ち、高齢になっても活躍し続ける方も多いです。そのうえで「自分の代で閉院する」とお決めになっている先生もいます。
では「事業継承における課題」に該当する先生はどのようなことが理由が考えられるでしょうか。
「医師の子ども・親族がいるが継がせることはむずかしい」
「医師の子ども・親族がいるが継承の意向がない」
「医師の子ども・親族がいない」
「体調を崩して診療が出来なくなった」
「家庭の都合」
いくつか例をあげると、弊社にご相談いただくお客様から聞かれるのはこういった声になります。理由は様々ではあっても不本意ながら閉院を余儀なくされるクリニックは多く、クリニックが閉院してしまうと通い慣れた患者さんは行き場に困り、従業員も職を失ってしまいます。そのため近年では親族への継承ではなく「第三者にクリニックを譲る(=医院継承)」という方法が開業形態の選択肢として主流になりつつあります。ここからは継承開業のメリット・デメリットに焦点を当てみます。
継承開業のメリットとは
継承開業する事により初期投資のコストダウン、既存患者の引継ぎ(集患コストの削減)、既存スタッフの引継ぎ(採用コストの削減)、内装や医療機器などの資産の引継ぎ(投資の削減)など多くのメリットがあります。まずは「2つのメリット」について、具体的にご紹介いたします。
メリット➀:継承開業では時間的ロスをヘッジできる
まず「 患者を引継ぐため集患などに割く時間的ロスがほとんどない」というメリットを見ていきましょう。こちらは時間的な観点ですが、継承開業は既存のクリニックをそのまま引継ぎます。そのため内装造作・医療機器・什器備品などの準備をする必要がないことが多く、開業準備に要する時間を大幅に短縮できます。また地域に根差したクリニックでは、従業員がクリニックの魅力に一役かっているケースも少なくありません。継承開業では従業員が患者さんと構築した信頼関係が経営に重要な役割を担っている場合があるのです。そういった従業員を引継ぐことが出来ると継承開業後の即戦力として働いてもらえます。
そして一番大きいのが、「集患」に関する時間的ロスの部分でしょう。新規開業の場合、開業初期の集患には大変時間がかかることが一般的です。ゼロベースから苦労して地道に集患対策(口コミ・SNSなど)を実行してクリニックの経営を軌道に乗せなくてはいけませんが、継承開業の場合、前院長に協力してもらい患者の引継ぎ期間を設けることで、院長が交代したあとも患者離れを最小限に留めることが可能です。。つまり、継承前にしっかりと引継ぎを行うことでスタートから一定の来院数が見込めて、集患に費やす時間的な負担が圧倒的に少なくて済むということになります。
メリット②:継承開業は金銭的コストを抑えられる
続いて「 新規開業に比べて初期コストが低く抑えられる」というメリットです。こちらはコスト的な観点ですが、①で説明しました事例を時間ではなく金銭的コストという側面から見ていただくと良いでしょう。内装造作、医療機器、什器備品をそのまま引き継げるということは、それだけ開業時にかかるイニシャルコストを削減できるということを意味します。従業員の人材確保についても、大々的な募集広告を打つ必要はありませんし、採用コストもかかりません。また、集患に関しては、安定した来院集患数が確保出来るまでの人的コストが削減できるだけなく、継承開業当日から一定の患者数が見込めるため早い段階から収益計上が期待できる効果も有しています。つまり支出を抑えつつ、収入は早い段階から期待できるということです。
条件によって異なりますが、新規開業に比べて一般的な内科を継承開業をした場合、初期投資で3000~4000万円程度、開業から3年間の損益合計で8,000万円程度の資金的な優位性があるとも言われています。これは、診療医療報酬改定や人口減少による来院患者数の減少がクリニック経営に暗い影を落としている中で、非常に大きなメリットと考えられます。継承開業するためには、譲渡対価を支払う必要がありますが、それにより「時間」を買い、「コスト」に関する諸リスクを抑えていると解釈することができるのです。
継承開業のデメリット
前述のように継承開業にはメリットが多い反面、多少のデメリットもあります。
1. 個人では継承案件の情報収集が大変
2. クリニックM&Aは手続きが非常に煩雑でよくわからない
3. 内装・医療機器などの設備が古めのケースでは、比較的早めに買替えや改装の検討が必要になる
4. 開業場所を自由に選択できない
5. 前院長の理念や診療方針が患者さんや従業員に共有されている場合、軌道修正の時間は必要
しかしこれらのデメリットは専門的な仲介会社をパートナーにすることで、最小化することが可能になります。
無料相談実施中
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