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医院継承(承継)、クリニック売買、医療法人M&Aのメディカルプラスです。
本日は親子間でのクリニック承継の難しさについてお伝えいたします。帝国データバンクの調べによると、開業医の8~9割がクリニックの跡継ぎ問題に直面しているという結果が出ています。この記事では、親子間でのクリニック承継の現状に加え、後継者問題の解決策に関するヒントも提示させていただきます。
医師免許の取得難易度が上がっている
そもそも後継者不在問題の原因は、医師資格を持ったお子様や親族がいないことが、圧倒的に多いわけです。かかる点につき、医師免許を取得するまでのハードル上昇から受ける影響については、無視することができないでしょう。
医師免許取得の難易度が上がったとは、一体どういうことでしょうか?
難易度上昇の背景として第一に、医療系学部(特に私大医学部)の人気が高まっており、受験者数が増加していることが考えられます。バブル崩壊、ITバブル崩壊、リーマンショックなど、経済界を揺るがす事件を経験するにつれ、若年層の人生設計は年々保守的な傾向が強まってきました。一方で、日本企業では終身雇用制度が崩壊し、年功序列による賃金上昇すら担保されず、労働者にとって非常に厳しい環境になりつつあります。経済の先行きが不透明で、企業へ依存できない社会情勢の中、多くの若者が安定を求めた先がどこだったのかというと、それが公務員であったり、医師であったりするわけです。特に医師は、その安定性から若者の中で人気になっています。医学界にとって、医師を目指す学生が増えることは望ましいことですが、反面、それは入試競争率の激化という側面も有しています。こうした要素を背景として、医師になるためのハードルが上がってきたことは間違いありません。
第二に、2023年問題の存在も触れておかなければならないでしょう。アメリカの医師免許を取得するためには、大学が2023年までにWFME(世界医学教育連盟)のグローバルスタンダード認証を受ける必要がでてきました。これまでは、日本の医学部さえ卒業すれば、USMLE(アメリカの医師国家試験)を受験できました。しかし2023年以降は、WFMEの認証を受けた日本の大学を卒業しなければUSMLEの受験ができなくなる可能性が高いのです。日本の大学は、国際基準に合わせる形で、臨床実証の時間を増やし、実技評価のフレームワーク作成を急ピッチで進めています。国際基準で求められる「即戦力としての医師の質を担保する」方面へシフトチェンジしているのです。この影響として、医大や医学部に入学したとしても、必ずしも医師になれなかったり、医師になるまでの時間を要したりするようになる可能性が懸念されています。ただでさえ難易度が上がっている医師免許ですが、今後さらに取りづらくなることが予想されているのです。
ここまでの話で、医師免許取得の難易度が、後継者不在問題に大きなインパクトを与えていることが、ご理解いただけたと思います。
【参照】一般社団法人日本医学教育評価機構
医師免許を取得できても道は険しい
では、ここで少し角度を変えて、子どもが医師免許を取得できたケースについても想定してみましょう。子どもが医師免許を取得できたからといって、一切の後継者不在問題が解決されるのかというと、決してそんなことはありません。
近年では、開業医として独立したとしても、集客から労務管理など幅広い業務への対応が迫られるようになりました。そこで医業に専念できる勤務医を志向するケースが増えています。また、専門科目が親子間で相違したり、都市での居住を好み、地元でのクリニック承継を好まなかったりする傾向もみられます。自身が専門とする診療科目を子供に強制したり、クリニックの承継を望まない子どもに、承継を強制したりすれば、家族トラブルに発展する可能性もあります。
この様に、クリニックの親子承継は時代の流れとともに徐々に難しくなっていますし、今後も難化の傾向は続くでしょう。
では、後継者不在問題について、クリニックはどのように対応すれば良いのでしょうか?
後継者問題を解決する方法として注目されているのが、クリニックM&Aです。親子承継にこだわらず、第三者とM&Aを行ったとしても、子どもに財産を残すことは可能です。後継者不在の場合、従来は廃院を選択するクリニックも多かったのですが、正直デメリットも多く、積極的にオススメしづらい部分があります。廃院の場合には、コストの問題、地域医療診療の希薄化の問題、従業員の職業問題などが考えられるのですが、クリニックM&Aではこうしたデメリットをすべて解決することが可能です。コストどころか譲渡益が発生するケースがほとんどであり、創業者利益を確保できる場合も多いのです。
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