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こんにちは。メディカルプラスです。
今回の記事は「クリニック開業時の資金調達(融資)」をテーマに展開してまいります。
独立開業には多額の資金が必要
独立開業は医師にとって一つの大きな分岐点で、「勤務医のキャリアを極めるか、開業医になるか」は、医師にとって自身への大きな問いかけです。開業するためには、科目によっては一億円近い資金調達が必要となることも珍しくありません。そのような大金をすべて自己資金で賄うことは大変難しいため、多くの場合は外部からの借入や融資を行うことになります。
たとえば開業時に必要となる資金額の目安ですが、首都圏で内科をテナント開業するとした場合、最低6,000万円以上~1億円ほどが相場といわれています。整形外科、眼科、皮膚科、精神科のおおよその目安も過去記事にございますので、ぜひご参考ください。
ここからは、クリニック開業時に資金調達(融資)を受ける方法、そしてその手段について解説いたします。
事業計画を立て、融資を受けたい金額を決める
まず開業に際し、どのくらい資金が必要かを把握していきます。開業に向けて事業内容や特徴・戦略・財務関係などを可視化した資料、「事業計画書」の作成からスタートしましょう。言語化することで、目指すクリニックの形を実現するには、どのくらいの資金が必要か、具体的になります。
この事業計画書をまとめる過程で、自己資金として用意するべき資金がどのくらい必要になるかも見えてくると思います。医療器具についてはリースを利用することで、開業に必要な自己資金額を抑えることができますので、リース利用の有無も、計画を立てていきましょう。ちなみに一般的に用意するべき自己資金は開業に要する全資金の30%前後言われており、残り70%前後について外部から融資を受けることが多いと言われます。
このように、まずは開業に要する資金を計算し、いくら自己資金額を用意すれば良いのか、また、いくら外部から資金融資を受ければ良いのかを把握することが重要になります。なお、これからご紹介する融資制度を利用する場合には、かならず「事業計画書」の提出が求められます。
クリニック開業時に利用できる融資とは
ここからはクリニック開業時に利用可能な、おもな融資の手段をご紹介します。
手段1:日本政策金融公庫の創業融資
創業時の融資に際し、最もポピュラーな存在として「日本政策金融公庫」の存在が挙げられます。日本政策金融公庫は国が管轄する機関(財務省所轄の特殊会社)で、創業融資を受ける際の有力候補になるでしょう。
日本政策金融公庫の特徴として、他の機関と比較し融資条件が有利である点が挙げられます。たとえば、融資に際しては無担保・無保証人で受けることができ、自己資金要件もありません。審査期間も短く、最短では二週間程度で入金されるケースもあります。クリニック開業に限らず一般的な会社立ち上げ(株式会社や合同会社など)の際にも広く利用されている融資です。詳しくは日本政策金融公庫サイトの「新規開業資金」のページをご参考ください。
*参考:日本政策金融公庫サイト「新規開業資金」について
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html
手段2:独立行政法人福祉医療機構の医療貸付
上記の日本政策金融公庫と異なり、福祉や医療業界に特化した融資を行っているのが「独立行政法人福祉医療機構」です。
建物や土地取得など、不動産に関する貸付や、医療器具の購入のための融資など、幅広い用途に対して融資を行う団体です。償還期間も最長30年以内と長期間で、しかも貸付利率も固定金利でかつ低金利という特徴があります。融資後の相談にも乗ってもらえますので、積極的に利用されると良いのではないかと思います。
無床クリニックの場合、同機構の定める「診療所不足地域」でなければ利用不可となりますので、開業を希望する地域への事前確認が必要です。
*参考:「独立行政法人福祉医療機構」福祉貸付事業・医療貸付事業
https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/kashitsuke/
https://www.wam.go.jp/hp/fukushi_iryo_yushisodan/
手段3:金融機関からの銀行融資
融資と聞くと真っ先にイメージするのが、この「銀行借入」ではないでしょうか。
メガバンクや地方銀行など、さまざまな金融機関があり、融資の審査基準もそれぞれの金融機関に準じますので、画一的な特徴をつかむのが難しい融資ではないかと思います。
とはいえ実現可能性の極めて高い事業計画の立案があり、開業クリニックに対する先生の熱意が担当の方に伝われば、希望通りの融資を得られるでしょう。
開業資金を抑え効率的なクリニック開業を行う方法
多額の融資を受けるということについて、ご不安を覚える先生もいらっしゃると思います。融資は出資とは異なり「借金」になりますので、経営が軌道に乗らなければ、返済に窮してしまうリスクがあります。そんな際にご検討いただきたいのが、クリニックM&Aによる承継開業です。既に開業しているクリニックで、後継者がおらず勇退を検討中の先生から譲渡を受けることで、通常の開業に比べて資金を抑えることが可能です。開業資金を抑えたいという先生は、ぜひ一度、「後継者不在のクリニックの三者継承」をご検討ください。
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