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クリニックの開業で失敗につながる要因と失敗をさける方法とは?

  • 医療継承コラム

こんにちは。メディカルプラスです。
今回の記事では、「クリニックの開業で失敗につながる要因と失敗をさける方法」について展開してまいります。

準備不足は開業失敗の大きな要因

医師のキャリアにおいて「開業」は大きな決断を伴うものですが、独立起業には希望と並走する厳しい現実がつきもので、必ずしもすべての開業医が成功する保証はありません。そしてクリニック開業が失敗に至る要因の多くは、“準備不足から派生する”と言われます。
クリニックの開業は、思いつきではじめて難しそうならすぐ畳める、そういったものではありません。開業・廃業コストの問題はもちろんですが、何より一度地域医療の旗振り役として迎えられたなら、継続して地域の健康を担う存在であることを期待されるでしょう。その期待に応えることが、安定経営と開業医としてのやりがいに繋がるとも言え、そのポジションを確立するためには、しっかり準備することが必要なのです。

開業時における「準備不足」とは

準備不足としてよくある失敗には、下記2パターンがあげられます。


1.  医療コンセプトが曖昧なままで開業してしまう
2. 事業計画や資金計画の見通しが甘いままで開業してしまう


自己分析とコンセプトづくり、そしてリサーチと計画になりますが、例えばご周知のとおり、近年は医療費抑制政策などにより、高齢者の医者離れが深刻化しています。

高齢者の医者離れが深刻化…医療費負担改定が、患者数の減少をもたらす!

また過疎地では身近な医療が心待ちにされている一方、都市部では医療機関が供給過多気味の傾向が顕著です。現状把握したうえで事前の準備をしておかないと、将来的に苦しいクリニック経営を余儀なくされる可能性があるのです。個別に見ていきましょう。

パターン1:「医療コンセプトが曖昧なままで開業」

新規開業にはそれなりの下準備が必要になりますが、その柱になるのが「医療コンセプトの明確化」であると言えるでしょう。「医療コンセプト」とは、「誰に」「どのような」医療を提供するのか、というクリニックのビジョンになります。ビジョン明確化のために、まずはご自身の強みと弱みを棚卸し、アウトプットすることをおすすめします。紙に書く、PCで打つ、いずれの手段でもかまいません。既に頭の中で自身の目指すものが明確であったとしても、それを言語化し頭の中から出すというひと手間を挟むことで、より解像度の高いコンセプトを打ち出す事ができます。今までの経験や人脈などが具体的になり、自身の強み・弱みが明確になるのではないかと思います。

では、その強みを最大限に活用するためには、どのようなクリニックを開業するべきなのでしょうか。エリアはどのあたりが最適でしょうか。また、弱みをどのように補っていくのが、最善の策と考えられるでしょうか。特に「内科系」は競合が多いですから、より専門分野に特化した開業をする必要があります。今までの経験を活かすためには、どのような専門分野に特化した方が良いのかを考えてみましょう。また、勤務医として働いた病院の人脈ネットワークを活用した開業も視野に入れておくべきです。開業立地のイメージが湧いてきましたら住宅地なのか商業地なのか、高齢者が多いのか、そうではないのか、地域診療の充実度など地域特性について、マーケティングを進めてください。このように、ご自身の強みと弱みを棚卸を行い念入りなマーケティングを行うことで、「誰に」「どのような」医療を提供すべきなのかというビジョンが明確になります。

パターン2:「事業計画・資金計画の見通しが甘いままで開業」

開業を考えている先生の多くは、「経営」を専門的には学んでいません。そのため事業計画や資金計画と聞くと、少なからず心理的な抵抗を覚える方もいらっしゃると思います。しかしながらここを不透明な状態にしたままで開業すれば、その先に「失敗」という最悪な結果が待ち受けていることを忘れてはいけません。

事業計画の作成を行う段階では診療圏調査も終わり、一人当たりの診療報酬予測、想定される集患数もある程度予見可能です。初期投資金額はどの分野にいくらにするのか、開業後の収支はどうなるのか、経営成績はどのように推移していくのか、損益分岐点をどこで捉えるのかなどを仮定に基づいて数値化していきます。この段階では、開業にかかるイニシャルコストと、月々発生するランニングコストを可視化しますので、開業形態や医療機器の調達方法、人員の配置などについても具体化します。また、いきなり精度が高い事業計画を立案することは難しいですから、ドラフト案から開始し、段階的にブラッシュアップする手法を取るとよいでしょう。

クリニック開業における「事業計画書」とは?

開業当初は集患に苦労し、思ったように資金回収が進まないこともあります。自己資金をどのように利用するのかについては、慎重に決定していく必要があります。できるならば、自己資金のすべてを開業に回すことはせず、生活資金や運転資金に回すことを検討してみてください。

準備不足は過剰な初期投資に繋がりやすい

「医療コンセプトが曖昧」、また「事業計画と資金計画の見通しが曖昧」という状態のままで理想の開業を目指す気持ちが高まると、過剰な初期投資に繋がることがあります。賃料固定費が予定より高い立地に開業してしまう、内装やインテリア備品などへ必要以上にこだわってしまう、開業当初から必要ではない医療機器まで揃えたくなるなど、売上不透明な段階ではできる限り抑えておきたい費用に勢いで手を出してしまうことがあります。こだわった内装を考える過程は楽しいものですが、上記パターン1・2を抑えたうえで行わないと、資金ショートに繋がりかねません。初期投資を抑える手段のひとつに「継承開業」がありますので、検討してみるのも良いでしょう。

継承開業とは?~継承開業のメリット・デメリット~

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