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こんにちは。メディカルプラスです。
今回は開業医の年金と老後資金をテーマに、記事を展開してまいります。ぜひご一読ください。
早めに考えておきたい開業医の老後問題
開業医は勤務医と比較すると、自由度や可能性が大きくなります。自身の目指す医療理念の実現へ向け思った通りの医療環境を作ることができ、またクリニックの成長にともない、大幅な収入増が見込めます。
一方自身の責任において、多角度からのリスクマネジメントも必要になります。例えば将来に向けた保障がなくなりますので、老後への不安を感じることも出てくるでしょう。老後問題はやはり心配の種だと思います。自由という裁量と責任という義務のもと、こういった将来を見据えた計画についても、早めに着手する必要があると言えるでしょう。それではまず開業医と勤務医別に、年金について見ていきましょう。
勤務医と開業医の年金の違いとは
まず勤務医の先生は、国民年金に加えて、厚生年金にも加入しています。一方で開業医の先生は、一般的な個人事業主と同様、国民年金のみの加入です。
勤務医の先生は、厚生年金部分について年金保険料を支払う必要がありますが、その分将来的に多くの年金を受け取ることができます。また厚生年金については、勤務先が半額を負担しています。独立開業した場合、こうした厚生年金の手厚さを失ってしまうことが、リスクとして考えられるでしょう。
老後生活に必要な資金とはどのくらい?
生活保険文化センターが2022 年 10 月に公表した「2022(令和4)年度:生活保障に関する調査(速報版)」では、ゆとりある老後生活費として「月額で平均37.9 万円が必要」という調査結果が明らかになりました。
これを単純計算で12ヶ月分乗算すると、年間約454.8万円必要ということになります。
個人開業医の先生は、国民年金だけに加入しているケースも多いのですが、国民年金で受け取れる額が年間70~80万円代あたりと考えると、年金のみでゆとりある老後生活を送ることは難しいことが予想されます。
*参考:生活保険文化センター「2022(令和4)年度:生活保障に関する調査(速報版)」
https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r4/2022hosho.pdf
また厚生労働省提供の「令和3年簡易生命表の概況」によると、日本人男性の平均寿命は81.47年、女性の寿命は87.57年となっています。統計情報も参考に、自身は何歳で開業医を勇退するか、また勇退後はどのような生活を送りたいかをシミュレーションし、老後の資金プランニングを早めに行うことは、大変意義があることだと思います。
勇退時期により老後生活に必要な資金は変わってきますが、老後資金として不足すると見込まれる金額については、現時点から貯蓄や投資、保険などを掛け合わせて利用し、対策しておく必要があるでしょう。
*参考:厚生労働省提供の「令和3年簡易生命表の概況」
https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r4/2022hosho.pdf
ここからは、老後資金対策の具体案をいくつかあげさせていただきます。
方法➀:国民年金の付加年金保険料を納付する
老後の資金プランニングの一つの方法として、「国民年金の付加年金保険料を納付する」ことが考えられます。付加年金保険料とは、定額保険料に付加年金保険料を月400円追加で納付することにより、将来の年金受取額が増える制度です。具体的には「月200円×付加保険料納付月数」の金額だけ、年金受取額が増えるという仕組みです。たとえば、10年間付加年金保険料を納付すると合計48,000円の支払となりますが、受取年金が24,000円増えますので、2年間で元が取れることになります。
最新の情報は日本年金機構HPをご参照ください。
方法➁:医師年金へ加入してみる
ほかに老後生活費の不足分を補う手段として、「医師年金へ加入する」という方法があります。医師年金とは、日本医師会に加入している医師で、満64歳6ヵ月未満の方が加入できる年金制度です。
医師年金保険料は、全員が加入する「基本年金」と、追加で任意加入の「加算年金」があります。2023年1月現在、基本年金は12,000円/月、加算年金は6,000円/月となっています。年払いも可で、その場合の基本年金は138,000円/年、加算年金は10万円単位です。基本年金については、一括払いも可能となっています。
医師年金の受取は満65歳からですが、最大で満75歳からに受給開始を遅らせることができます。また医師年金は、子どもの教育資金として利用することができるほか、加入者が亡くなった場合は遺族年金という形で遺族が受け取ることが可能です。詳しくは日本医師会医師年金HPの「医師年金の特長」をご参照ください。
方法➂:開業コスト・廃院コストを抑える
保険や年金のほか、「そもそもまず開業する際のコストをできるだけ抑える」、また「廃院にかかるコストを削減する」という考え方があります。
開業する際にクリニックM&Aによる事業譲渡により、既に開院しているクリニックを取得すると、開院コストを抑えることができるほか、集患の手間が少なくて済むため、比較的早い段階でクリニック経営が軌道に乗りやすくなります。逆に勇退する開業医で後継者が不在である場合、廃院を選択すると多くのコストがかかりますが、クリニックM&Aによる第三者承継を選択することでコスト削減になるでしょう。
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