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医院継承(承継)、クリニック売買、医療法人M&Aのメディカルプラスです。
本日はM&A買収の目的と狙いについて解説いたします。M&A買収の目的は色々と考えられますが、実はその本質は非常にシンプルなのです。クリニックM&Aについても言及致しますので、これから医院開業をお考えの方は、M&Aによる医院開業が一つの選択肢となり得ますので、ぜひ最後まで読み進めていただければと思います。
M&A買収を行う目的は?
「Mergers(合併)& Acquisitions(買収)」の略語であるM&A。それでは、M&A買収を行う目的とは、一体どのようなものなのでしょうか?
M&Aによる企業買収の最大の目的は、「時間をお金で買うこと」といわれることが多いです。たとえば、A社を買収する理由が「先進的技術を用いたロボットを生産できる工場」を保有していることにあったとしましょう。この場合、パッと見ると「A社の工場取得」がM&Aの目的に思えるのですが、「先進的技術を開発するための時間」と「大量生産を可能にする工場を建設するための時間」を金銭によって購入したとは考えられないでしょうか?
もちろん、時間をかければ新技術の開発と大量生産体制の構築は不可能ではないのでしょうが、技術サイクルが早い現代の経済事情にあっては、こうした開発に必要以上の「時間」をかけることは、他企業との競争における敗北に直結しかねない要素です。つまり、従来は時間をかけて研究開発により技術取得をしていたところを、M&Aでは対価を支払うことによって、時間を大幅に短縮して、技術と設備を取得しているといえるのです。
このように、対価を支払うことによって時間を買うというM&Aは、「人材」に関する分野でも多くの事例が見られます。本来、優秀な人材を育成するためには、リーダーの育成から始まり、プログラムの作成・研修の実施・PDCAによる研鑽という、非常に長い時間が必要となります。しかし、既に優れた人材育成プログラムを実施している企業をM&Aにより買収できれば、優れたスキームを吸収できるだけでなく、優秀な人材までをも獲得できることになります。また、専門性の高いオペレーション体制も獲得できることもあるでしょう。
また、M&Aによって「販路」拡大に要する時間を買うというM&Aも多くあります。BtoBであれBtoCであれ、販路(=顧客)を獲得するためには、営業活動が必要不可欠で、当然のことながらかなりの時間とコストを必要とします。しかし、M&Aによる買収を行えば、既に関係がある顧客リストも取得することができますから、販路開拓に要する時間を大幅に短縮することが可能になるのです。
更にM&Aにより取得したこれらの事業・人材・販路が、元々あった事業部門・人材・販路と融合することで、「1+1=2」ではなく「1+1=3以上」のブランドになることもあり得ます。このような相乗効果のことを「シナジー効果」と呼びます。たとえば以前、GoogleはYouTubeを買収しましたが、これは単純に動画プラットフォームを取得したというだけにとどまらず、情報検索のあり方(若しくは情報発信のあり方)を一変してしまいました。従来は文字メディアのみに対して権威を誇ったGoogleが、今では文字+動画メディア=すべてのネットメディアの権威になっている、といえば分かりやすいでしょうか? M&Aを行う際には、シナジー効果まで見据えて実施することがほとんどです。
クリニックM&Aの目的も「時間」
ここまでは一般企業におけるM&Aを見てきましたが、ここからは、クリニックM&Aに目線を移していきましょう。
とはいうものの、クリニックM&Aであっても、本質は大きく変わりません。つまり、クリニックM&Aを行う最大の目的も「時間」なのです。
どういうことかというと、既存のクリニックを継承すれば、開業準備に要する時間を大幅に短縮できます。医療機器や備品、機材などは、そのまま引き継げますので、白紙の状態から準備する必要がなくなります。また、従業員等の人材確保についても、新規開業に比べて負担は格段に少なくなるでしょう。そして一番大きいのが、「集患」に関する時間の短縮です。新規開業では、初期集患には時間がかかり、コストもバカになりません。ゼロベースから苦労して地道な集患を行う必要がありますが、医院継承であれば、「前クリニックの患者」をほとんどそのまま引き継ぐことが可能です。つまり、集患に費やす時間的な負担が圧倒的に少なくて済むということになるのです。
新規開業のハードルが高くなるなか、時間によって初期の時間的コストを大幅に削減し、早期に経営を軌道に乗せることができるクリニックM&Aは、今後もますます増え続けると予想されています。
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