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こんにちは。メディカルプラスです。
今回の記事では、クリニックを廃院する際に生じるコストについてお伝えいたします。
さまざまなご事情から廃院の選択肢が頭をよぎった方のみならず、これから開業に向けてスタートする方も、ぜひ将来の参考としてご一読いただけますと幸いです。
コストだけでなく地域医療にも影響がある「廃院」
ご自身の医療理念を実現すべく理想を抱いて開業を選択したものの、現実とのギャップに苦しむ開業医は少なくありません。開業医は医療行為だけでなく経営全般にかかわる必要があります。医療経営士の資格保持者など、経営の右腕を担える医療スタッフもおらず、孤独に経営責任のプレッシャーに立ち向かわなければならない方も多いようです。
また勤務医と異なり定年があるわけではありませんので、医師人生の引退時期についても自身で考える必要があり、そのうえで後継者が未定の場合、廃院を視野に入れながら経営されている方もいらっしゃると思います。
後述しますが、廃院にはさまざまなコストがかかります。また同時に、なじみのクリニックがなくなるということは、地域医療にとっての大きな損失が生じます。徒歩で通院でき、かかりつけとして頼りにしていたクリニックが突然なくなってしまうことで、患者さんにとっては「このあたりでは、このクリニックしかなかったのに…」という事も起こります。働く医療スタッフも転職活動をすることになるでしょう。多角度から見ると、廃院は本当に最後の選択肢としてお考えいただければと思います。
廃院に必要なコストは1,000万円以上?
クリニックの規模や診療科目によって相違はありますが、廃院にあたり1,000万円以上のコストを負担しなければならないことも珍しくありません。それでは廃院する際にかかるコストについてみていきましょう。
(1)登記や法的手続きの費用
廃院をする際には、各方面への届け出や手続きが必要になります。また、医療スタッフ雇用に関する社会保険についても、手続きが必要になってきます。これらの手続は、司法書士や税理士、社会保険労務士などに依頼することができますが、当然そのためのコストが発生することになります。
(2)退職金等の支払
雇用していた医療スタッフに対して、退職金規定に基づく支払いを行います。勤務期間が長いスタッフがいれば、これだけでもかなりの負担になるはずです。
(3) 借入金の返済
銀行等からの借入金の残債があれば、廃院するまでに完済しておく必要があります。
(4)医療用検査機器の処分費用
医療用の検査機器(MRIなど)は、中古品として業者に買い取ってもらうことが可能です。ただし、旧モデルの医療機器や老朽化が著しい場合には、廃棄せざるを得ませんので、廃棄コストが生じてきます。また、医療用の検査機器をリースしていた場合には、その清算も必要になります。
(5)医療器具や薬剤の処分費用
使用していた医療器具や、残った薬剤等については、専門の業者に依頼して、引き取ってもらう必要があります。その際には、費用が発生します。
(6)不動産にかかる原状回復費用等
クリニック施設が賃貸物件であった場合、原状回復費用が必要になります。また、契約期間の中途での解約の場合には違約金が発生する可能性があります。
(7)その他
廃院をする際には、地域診療への影響や、医療スタッフへの影響も考慮しなければなりません。これらの影響を最小限に抑える必要がありますから、時間コストも生じることになります。
クリニック譲渡なら、創業者利益の確保もできる
このように廃院をするのであれば、多くのコストが必要になることがお判りいただけたと思います。廃院を選択するのであれば、クリニックM&Aでの譲渡をお勧めいたします。開業を希望する第三者にクリニックの経営権を売却することにより、コストがかかるどころか、創業者利益をしっかりと確保することが可能になります。後継者が見つからない等の理由で、無理をしてクリニック経営を続ける必要もなく、ご自身のタイミングで勇退時期を選択することができるのです。
医師の引退の選択肢は廃院が主流という時代もありましたが、今後はクリニックM&Aが間違いなく増えていくでしょう。
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