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こんにちは。メディカルプラスです。本日はクリニック継承において「選ばれやすいクリニック」と「選ばれにくいクリニック」がテーマです。
クリニック継承を成功させるためには、自身の理想や利益を求めるのではなく、お相手の立場に立って考えることが肝要です。また後継者にクリニックの魅力をPRするためには、譲渡前から有休資産の整理や経営の合理化による増収など、多くの下準備が必要不可欠になります。
このコラムでは、「選ばれやすいクリニック」と「選ばれにくいクリニック」の特徴を通じて、将来的にクリニックを譲渡しようとお考えの院長様、また譲受を希望される方にもクリニックの今後を考える一助としてお役に立てる情報となるよう、お伝えしていきます。
クリニック継承で「選ばれやすい」「選ばれにくい」要素
クリニックの後継者にとって資金を投じておこなう継承開業は、まさに事業投資そのものです。
投資とはキャッシュを投下して、投下資金より多くの価値を回収しようとする行為を表します。前述をクリニックの継承に置き換えると、次の要素が当てはまるのが選ばれやすいクリニック(投資したい)と考えられます。
【選ばれやすさ】に繋がる要素
➀.時間の短縮(=患者来院数が一定数あり経営が安定している、内装や医療機器がそのまま使用することが可能、既存の従業員も引き継げる)
➁.シナジー効果(=候補者が継承することで生まれるさまざまな相乗効果)
➂.収益力の確保(=将来にわたる安定的な収益獲得と成長基盤の確保)
案件によって異なりますが、これらの要素に当てはまるクリニックであれば、後継者を見つけるのは難しくない傾向にあります。
一方で、後継者の期待にフォーカスしていないクリニックは、なかなか継承成立に繋がりにくいと言えます。たとえば譲渡側に次のような特徴が見られる場合、それは選ばれるハードルの高いクリニックである可能性が高くなるでしょう。
【選ばれにくさ】に繋がる要素
➀.「いつ売れるか、いくらで売れるか、希望条件で売れるか」と、利己的な傾向が強い
➁.投資リスク(将来の不確実性)が高い
➀についてはイメージがしやすい部分かと思いますが、➁については少し補足する必要があるかもしれません。
買手はリスクを極力排除したい
クリニック事業は、将来にわたり安定的な収益を期待して行う事業です。したがって大きな投資リスクというのは敬遠されることになります。
投資にもいくつか種類があり、積極的にリスクを取りに行く投資もあります。たとえば、金融投資(株式やFXなど)では、時価の変動というリスクを積極的に狙いに行きます。しかしクリニック事業に対する投資は、大きな事業リスクをヘッジしつつ、極力将来に対する不安定性を排除しながら、持続的な成長と安定した収益性を期待する事業投資です。
そのためクリニック継承において、継承後の事業展開に影響を及ぼす明確なリスクが認められる投資案件に対して、後継者は手を出しづらいのです。財務内容が不明確(開示しない・いい加減など)、債務額が大きすぎる、債務に対する保証を行っていたりする、これらは後継者から敬遠されるでしょう。
逆に後継者にとって引継ぐ際のリスクを減らすことができれば、クリニック継承は成立しやすくなります。
たとえば、継承前に遊休資産の整理や負債をスリム化しておけば、後継者から好感を得られるクリニックになるでしょう。また、クリニックの財政状態と経営成績を正確に開示することで、過去の実績と現在の状況を把握でき、将来の予測がしやすくなりますので、後継者の安心感につながるはずです。くわえて可能な限りリスク要因を細かく分析(人事・労務リスクなど)し、クリニック継承までにそのリスクを解消しておくことも、大変重要になります。
このように、クリニック継承が成功するかどうかは、じつは後継者とのマッチングを模索する前から始まっています。後継者からすれば、潜在的な患者数や周辺の競合医療機関の状況はたしかに気になるでしょう。しかし、いくら周辺環境が優れていても、リスクにまみれたクリニックを引継ごうとは思わないはずです。事前の念入りな準備により極力リスクを排除することは、クリニック継承を考えるうえで最も重視すべき要素なのです。
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