ホーム » コラム » 医療継承コラム » これから皮膚科を開業したい! ~継承開業で年収最大化を目指す方法(図解あり)~

これから皮膚科を開業したい! ~継承開業で年収最大化を目指す方法(図解あり)~

  • 医療継承コラム

こんにちは。メディカルプラスです。本日は「皮膚科クリニックの開業」をテーマにお伝えいたします。

ご自身のクリニックを開業したい思いがある一方で、今後さらに加速するとされている少子高齢化による人口減を懸念し、開業に対してプラスのイメージを思い描く事ができない皮膚科医の方も多いのではないでしょうか。本記事では、保険診療をメインとした皮膚科クリニック開業時の必要資金や、想定される勤務医との年収差、継承開業という選択肢の重要性についてご説明してまいります。クリニックM&Aを検討されている皆さまのお役にたてますと幸いです。

皮膚科クリニックの開業に必要な費用と具体的な資金計画

皮膚科クリニックの開業にはどれくらいの資金が必要なのでしょうか?ここでは、一般的な条件を設定して新規開業時に必要な資金について詳しく説明します。

【開業条件】
1. テナント開業
2. 保険診療メイン
3. 手術なし

【想定必要資金】
合計:6,280~7,840万円

【必要資金の内訳】
①. テナント関連費:合計約2,360~2,920万円

テナント賃料 40万円(専有面積40坪と仮定し試算 ※坪単価1万円)
不動産契約関連費用 320~480万円(敷金240~400万円、礼金40万円、仲介手数料40万円と試算)
内装工事費用 2,000~2,400万円(坪単価50~60万円×40坪で試算

②. 機器・備品:合計約1,900~2,000万円

医療機器 約1,700万円(顕微鏡、レーザー系機器各種(炭酸ガスレーザー、Qスイッチルビーレーザー、紫外線治療器)、電子カルテ、その他機器(AED、滅菌機、無影灯など)
什器備品 200~300万円(消毒器具、衛生材料、院内家具、家電、AV機器、レジスターなど)

③. その他費用:2,020~2,920万円

広告宣伝費 300万円(HP・看板・パンフレット)
職員採用費 20万円
開業諸費 200~300万円(開業地によりバラつき有)
コンサルタント費 0~300万円
運転資金 1,500~2,000万円

テナントでの新規開業に掛かる費用を試算いたしましたが、初期費用を抑えることの手段として医療機器をリースするという選択肢もございますのでリースのメリットとデメリットをもとに、どちらがご自身の開業スタイルに合っているかをご検討の上、選択されることをお勧めいたします。

リースのメリットとデメリットについては以下をご参考ください。

メリット デメリット
初期費用を抑えられる
事務管理への手間を省ける
新機種への乗り換えが簡単
資金調達よりも手続きが進みやすい
契約の種類によっては途中解約が困難
借り入れよりも高額
仕様変更できない場合が多い

また、切開手術を行う場合は、クリニックの規模や対応手術の内容により費用は異なりますが、設備費用として1,000万円前後追加で掛かると試算いたします。

皮膚科開業医と勤務医の年収

まずは、開業医全体の年収をお伝えいたします。
令和5年に実施された中央社会保険医療協議会の「第24回医療経済実態調査 (医療機関等調査)報告」によると、全診療科目平均年収は31,411千円となっており、皮膚科をメイン科目として運営しているクリニックの平均年収は28,045千円となりますので全診療科目平均年収より低めとなっています(ただし個人クリニックのみ、医療法人は含まず)。これは外来診療収益やその他の医業収益から、給与や医薬品費、設備賃借料などの経費を引いた損益差額となり開設者個人の年収ではございませんのでご承知おきください。

次に、皮膚科医の平均年収推移を見ていきましょう。令和元年実施調査(コロナ前)での平均年収は27,099千円、令和3年実施調査(コロナ禍)での平均年収は33,078千円となっており、コロナ禍において年収増加があった事が伺えます。余談ではありますが、皮膚科開業医が言っておりました「コロナ禍でマスク装着が義務付けられたことで「マスクかぶれ」による患者数が増えた」ことも年収増加の一つの要因であると推測されます。

一方で参考までに別データ【労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」P.30】から勤務医の平均年収を見てみましょう。少し前のデータになりますが大変充実していますのでご紹介いたします。このデータによると、皮膚科医個人の平均収入は眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科の合算とされておりますが、1,078万円となっています。年収割合別に見ると以下の通りです。

これから皮膚科を開業したい メディカルプラス

以上から、開業医は直近コロナの影響で平均年収に変動があったとはいえ、勤務医と比較すると平均年収は高く、勤務医としての働き方は安定しておりますが収入アップに限界があるといえます。したがって、より高い収入を望む場合は、自身の頑張りによって収入アップにつながりやすい「開業」のご選択がおすすめかもしれません。

とはいえ近年、皮膚科を訪れる患者さんのニーズは大きく変化しており、例えばアトピー性皮膚炎や乾燥性皮膚炎などの患者に対応できる専門性を打ち出し差別化を行うことや、保険診療だけではなく、美容皮膚科にも対応するなど皮膚科の患者ニーズは多様化しておりますので柔軟に対応していくことがポイントとなりますのでご注意ください。

皮膚科クリニック開業の成功の秘訣

続いて、皮膚科クリニックを成功させるための施策例をお話します。

①. 他院との差別化

■患者さん目線のサービス
丁寧なカウンセリング、待合室の快適な環境など、患者さんが安心して通えるクリニック作りを目指すことで患者さんの満足度を高めます。また、オンライン診療を活用することで遠隔地の患者さんや時間がない患者さんにもサービスを提供することで医療サービスの幅が広がります。
■専門性の高い診療の提供
ニキビやアトピー性皮膚炎、シミ・シワなどの美容医療など、需要の高い分野に特化することで専門性の高い医療を提供します。
■最新機器の導入
レーザー治療器や光治療器、超音波治療器など、患者さんのニーズに合わせた機器を導入による質の高い治療を提供します。

②. 物件の選択肢

■保険診療メイン
多くの患者さんを集患するためには、視認性の高い場所での開業を選択することをお勧めいたします。また、アトピー性皮膚炎や季節性発疹に対応するクリニックを目指されるのであれば患者さんが通院しやすい住宅地に近いエリアや駐車場台数を多く確保できるエリアが望ましいと考えます。
■自由診療メイン
美容皮膚科に特化される場合は、駅からのアクセスが良い商業ビルでの開業が望ましいと考えます。集患力のある商業ビルでの開業はテナント賃料も高額なる事が予想されますのでホームページを充実させ集患対策を講じることも重要なポイントとなってくるでしょう。

③. 集客マーケティング

どれほど良い差別化施策を打ち出し、立地選択に拘っても、集客マーケティングをしなければ患者さんは集まりません。インターネット上には情報が溢れている世の中ですので、いかに効率よく自院の宣伝ができるかがポイントになります。その際の施策をいくつかご紹介します。
▪HP作成
▪SEO対策
▪MEO対策
▪目立つ看板の設置
▪開業時の内覧会開催
▪屋外広告を打つ

メディカルプラスで支援した「皮膚科」継承成約事例

ここでは参考として、公的機関のデータではなく実際にメディカルプラスで仲介支援し継承された案件の売上や利益について、一部事例をご紹介いたします。
ご紹介する成約案件は、いずれも開業成功の秘訣に当てはまる開業形態で大盛業を収めております。

【ケース①】埼玉県×個人事業(テナント開業)
▪医業売上:4,700万円
▪実質利益:2,700万円《案件の特徴》最寄駅から徒歩2分、視認性も高く、駐車場が完備されているなど開業立地も良く、自費診療も行える医療機器が充実している高収益案件でした。案件No,【SM-1150】(会員登録されている方は詳細をご覧いただけます)
【ケース②】千葉県×医療法人(テナント開業)
▪医業売上:約1億2,400万円
▪実質利益:約6,600万円
《案件の特徴》
最寄駅から徒歩1分の医療ビル開業で近隣への認知力が高く、予約システムを導入し患者さんのストレスを軽減、美容皮膚科も充実しているクリニック継承案件でした。案件案件No,【SM-1303】(会員登録されている方は詳細をご覧いただけます)
【ケース③】東京都×個人事業(テナント開業)
▪医業売上:約1億1,000万円
▪実質利益:約6,200万円
《案件の特徴》
都心への通勤も可能な郊外立地であり子育て世帯が多く居住しているエリア、集客力の高い商業施設内にテナント開業、コロナ禍でも高収益を保っていた継承案件でした。案件No,【SM-1316】(会員登録されている方は詳細をご覧いただけます)

皮膚科クリニックの開業は、継承開業をご検討ください

昨今、多くのクリニックが乱立する中での新規開業は、視認性が良く集患力の高い開業地を選ぶことが困難となっている傾向があり今後もこの状況はつづくことと推測されます。仮に希望立地が見つかったとしても開業までには1年以上もの時間が必要となり、新規開業による経営が黒字化するまでに1年以上かかる事もあると言われております。

一方で、長年クリニックを経営されている院長の高齢化や体調不良・ご親族で後継者が不在を理由に閉院を選択される院長も少なくなく、今まで通院されていた患者さんやその地域にとって大きな損失があるという現状がございます。継承というと、クリニック内装や医療機器の老朽化をご懸念される方も多いと思いますが、新規開業と比較すれば既に患者さんが通院しているクリニックを継承することになりますので、開業当初から黒字化をのぞめ、継承時に行った内装改修費用や医療機器の入替費用の投資回収も早期にできることでしょう。

継承開業とは?~継承開業のメリット・デメリット~

このように、既にその地で地域貢献を重ねてきたクリニックを継承し、患者さんの声を聴きながら自身の理想と患者の理想をすり合わせながら双方の理想とするクリニックを作り上げていくというのも、1つの開業スタイルと言えるでしょう。是非「地域医療への貢献」という視点もお持ちいただき、開業をご検討いただければと思います。

第三者継承に関する無料相談実施中

メディカルプラスは、地域医療の継続と発展に貢献したいという想いを理念に、クリニックに特化した継承支援を行っている仲介会社です。クリニックM&Aに関する多数の実績と豊富なノウハウがあり、「譲り受けたい方」・「譲り渡したい方」のお悩みに応えるフェーズを熟知しておりますので、安心してお任せください。譲り受けることをご検討中の先生は勿論、後継者不在で廃院を視野に入れている先生も、ぜひ一度弊社までご相談ください。
弊社では随時無料相談を実施しております。医院継承(承継)、クリニック売却買収、医療法人M&Aをお考えの方はこちらより【✉お問い合わせ】お気軽にお問い合わせください。

【会員登録】はこちらから
クリニック譲渡案件と、譲受希望者条件が閲覧可能になります。また最新の譲渡案件・継承開業に関する情報をいち早くお届けいたします。情報収集の効率化にお役立てください。

人気記事


医療継承のメリットを簡単解説!

会員登録 ご登録いただくと、最新の案件情報をいち早くお届けいたします。