ホーム » コラム » 医療継承コラム » クリニック譲渡後の前院長の選択肢とは? ~継続勤務から完全リタイアまでそれぞれの道~

クリニック譲渡後の前院長の選択肢とは? ~継続勤務から完全リタイアまでそれぞれの道~

  • 医療継承コラム

こんにちは。メディカルプラスです。本日は「クリニックを譲渡された後の前院長の選択肢について」というテーマについてお伝えいたします。
本コラムをお読みいただいている方には、「具体的にクリニックの譲渡を考えている」、「今すぐではないが将来の選択肢として考えている」という方や、あるいは「クリニックの譲渡について一度も考えたことはない」、「そもそもクリニックを譲渡できるなんて知らなかった」という方もおられるかもしれません。弊社は創業以来100件以上の医院継承を仲介してまいりました。100名を超える譲渡経験者の実体験に基づく事例やエピソードを踏まえ、本コラムがクリニック経営者の皆さまの将来の判断の一助になれば幸いです。

誰もがいつか迎える引退

開業医の皆さまは自身の引退や第2の人生について考えたことはありますでしょうか?これまで多くの院長とお会いしてきましたが、引退なんてまだまだ先のこと、自分の引退のことなんて考えたくないとお考えの方も少なくありません。しかし、現実にはご本人が望む、望まないに関わらず、誰もがいつかは引退と向き合うときが訪れます。そしてクリニックの譲渡には、院長が主体的に譲渡を選択されるケースと、体力気力の低下や体調不良など必要に迫られて譲渡を選択されるケースがあります。本コラムでは、前者のケースにおける譲渡後の選択肢についてお伝えしてまいります。

選択肢①:継続して勤務する

まずひとつ目の選択肢は、「クリニックを譲渡後も勤務医として診療を継続されるケース」です。譲渡したクリニックで非常勤として週数回勤務を継続するというケースもあれば、新たな勤務先を探して勤務されるケースもあります。譲渡したクリニックで継続勤務する場合、後継者が個人医師の場合、譲渡後3ヵ月から6ヵ月、長くても1年程度で継続勤務を終えるケースが多いようです。その理由は後継者が個人医師の場合、常勤として診療に入るため、一定期間経過後は後継医師一人で診療が回るようになるためです。例外として、後継者が継承開業後も病診連携先で非常勤勤務を継続していたり、継承後に診療日数を増やしたりする場合、2年、3年あるいはそれ以上の期間にわたって前院長が継続勤務するケースもあります。一方後継者が医療法人の場合は、前院長が雇われ院長として常勤で継続勤務したり、非常勤として週2回~3回継続勤務したりと、後継者が個人医師のケースと比較して勤務日数が多い傾向にあります。後継者が医療法人の場合、医師の採用が難しいということがその背景にあげられます。

譲渡後も雇われ院長として診療を継続するのであれば、「仕事は継続するのに所得が減ってしまい、譲渡する意味がないのではないか?」というご意見もいただきます。しかし医療法人へ経営を引き継ぐことで、人事労務、経理財務、集患など煩わしい経営業務から解放され、前院長は診療だけに専念することができます。診療は継続したいが、経営業務からは解放されたいという方は少なくありません。

選択肢②:趣味の時間を楽しむ

2つ目の選択肢は、「趣味の時間を楽しむこと」です。例えばご夫婦で最低週2日はゴルフを楽しまれている方や、譲渡後に世界一周のクルージング旅行へ行き、帰国後も国内外への旅行を楽しまれている方、ワイン好きで世界のワイナリーを旅行している方、テニススクールへ通い始めた方、釣りやフィットネスなど趣味といっても内容は様々です。譲渡後に趣味を楽しまれている方は、傾向としてクリニックを譲渡する前から仕事以外の趣味を持ち、計画的に譲渡された方が多いように思います。一方、これはクリニック経営者に限らず、経営者全般に言えることかもしれませんが、仕事が趣味という方も少なくありません。仕事以外の趣味を持たないままクリニックを譲渡された方からは、「引退後に趣味を見つけようと思ったが、高齢になって自分が没頭できる趣味を見つけるのは難しい。」という声を聞きます。誰もがいつか迎える引退に備え、趣味を見つけておくことは引退後の人生を充実させる大切な要素の一つなのかもしれません。

選択肢③:地方への移住

3つ目は「地方への移住」です。クリニックを譲渡された後、移住して生活の拠点を変えられる方もいます。移住された方には、自宅を売却し、地方に新たな自宅を購入し完全に移住された方と、自宅は残しながら地方に新たな生活拠点となる住居を設け、都市部と地方の2拠点生活を楽しまれている方もいます。例外もありますが、移住される方は都市部から地方への移住するケースが多く、地方から都市部へ移住するケースは少ないようです。稀なケースとして海外移住された方もおり、このお客様は趣味のゴルフとヨットを楽しむために海外移住されました。地方や海外に移住される方は、家庭菜園やゴルフなど趣味を目的とする面もあるようです。

当社成約実績の譲渡された方(売主様)の平均年齢は70.3歳ですが、譲渡後に移住された方の多くは60代前半と、比較的若いうちに譲渡された方が多いです。また移住された方に数名に将来のお考えを伺ったところ、いずれも移住先は終の住まいとは考えておらず、体力的な衰えを感じたときは生活が便利な都市部に戻る予定、とのことでした。譲渡後に移住された方も、譲渡後に趣味を楽しまれている方と同様に、比較的若いうちに計画的に譲渡された方が多いようです。

選択肢④:新たな挑戦

4つ目は「新たなことへの挑戦」です。これまで弊社がクリニック譲渡を仲介させていただいたお客様のなかには、60歳でクリニックを譲渡し新たに事業を起業された方や、一旦は開業した数年ののち、クリニックを40歳で譲渡し、転科するために大学病院へもどられた方もおりました。前者の方はすでに経済的には働く必要がないにも関わらず、自身の夢の実現に向かってリスクをとって新たなスタートを切られました。後者の方は取得済みの専門医などこれまでのキャリアを捨てて、自分がやりたい医療を行うために挑戦を決意されました。こうしたケースは稀だと思いますが、なにも難しいことばかりが新しいことへの挑戦ではありません。新しい趣味を始める、毎日運動するということも新しい挑戦です。

選択肢➄:完全リタイア

5つ目の選択肢は、「完全リタイア」です。完全リタイアは譲渡後に新しいことを始めたり、生活環境を変えたりせず、のんびり過ごすというケースです。完全リタイアはこれまでお伝えした選択肢の中で一番多いです。これまで長年毎日忙しく診療を行ってきたため、譲渡後はしばらくゆっくりしたいと人間ならば誰もが思うことでしょう。完全リタイアといっても全く何もしないということではなく、家族と旅行に行ったり、映画を鑑賞したり、買い物に出かけたりと思い思いの時間を過ごされることでしょう。

まとめ

これまで実際にクリニックを譲渡された方々の譲渡後の選択肢についてお伝えしてきました。少し具体的なイメージを持っていただけた先生も、おられるのではないでしょうか。譲渡後に移住や新しい挑戦をされる方の多くは60歳代と比較的若いうちに計画的にクリニックを譲渡されている方が多いです。
医師として生涯現役も素晴らしいことですが、元気なうちにクリニックを譲渡することでより豊かな充実した人生を手に入れることができるのではないでしょうか。

【特別座談会】クリニック「譲渡」経験者の声 ~第三者医院継承でつなぐ地域医療の未来~

第三者継承に関する無料相談実施中

メディカルプラスは、地域医療の継続と発展に貢献したいという想いを理念に、クリニックに特化した継承支援を行っている仲介会社です。クリニックM&Aに関する多数の実績と豊富なノウハウがあり、「譲り受けたい方」・「譲り渡したい方」のお悩みに応えるフェーズを熟知しておりますので、安心してお任せください。譲り受けることをご検討中の先生は勿論、後継者不在で廃院を視野に入れている先生も、ぜひ一度弊社までご相談ください。
弊社では随時無料相談を実施しております。医院継承(承継)、クリニック売却買収、医療法人M&Aをお考えの方はこちらより【✉お問い合わせ】お気軽にお問い合わせください。

【会員登録】はこちらから
クリニック譲渡案件と、譲受希望者条件が閲覧可能になります。また最新の譲渡案件・継承開業に関する情報をいち早くお届けいたします。情報収集の効率化にお役立てください。

人気記事


医療継承のメリットを簡単解説!

会員登録 ご登録いただくと、最新の案件情報をいち早くお届けいたします。