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こんにちは。メディカルプラスです。
本日は医院開業でクリニックM&Aを利用する際、かならずチェックするべき3つのポイントについて説明いたします。クリニックM&Aによる継承開業をお考えの方、また事業譲渡でどのような点がチェックされるのか情報収集をされている方は、ぜひご参考ください。
クリニック買収で確認すべき3つのポイントとは
クリニックM&Aによる継承開業・買収を検討する際には、まずは対象クリニックについて、以下の3つのポイントからチェックすると良いでしょう。
●ポイント1:「対象クリニックの財務状況」
●ポイント2:「対象クリニックの簿外債務」
●ポイント3:「患者と診療圏の調査」
それでは個別にみていきましょう。
対象クリニックの財務状況を確認する
対象クリニックの財務状況はすべて重要なデータですが、特に重点的にチェックするべき項目は、貸借対照表の資産に関する部分です。資産についても様々な科目が計上されていますので、(1)棚卸資産、(2)有形固定資産、(3)未収入金、の3つを優先的に確認してください。
(1)棚卸資産について
棚卸資産とは、販売等によって直接的に収益獲得に貢献する「商品・製品」などを指します。クリニック経営においては、医薬品や医療消耗品が棚卸資産に該当します。この棚卸資産ですが、2つの観点からチェックする必要があります。1つ目は利益の過大計上、2つ目は譲渡価格のつり上げです。1つ目ですが、期末棚卸資産の在庫は、売上原価を算定するうえで差し引きますので、期末在庫を多く持てば、その分だけ利益が過大に計上されることになります。また2つ目ですが、資産の金額から負債の金額を差し引いた金額が、譲渡価格のベースになります(営業権は考慮しておりません)。ということは、期末在庫を多く抱えれば、その分譲渡価格は高くなりやすいということです。棚卸資産の期末在庫については、かならずチェックしましょう。
(2)有形固定資産について
取得原価が20万円以上の固定資産は、固定資産台帳に減価償却資産として記載されます(少額減価償却資産特例を除く)。減価償却資産の帳簿価額の合計は、貸借対照表に記載される各科目(建物・器具備品など)の金額と一致しなければいけません。しかし、稀にこれが一致していないようなケースがありますから注意してください。また、帳簿価額が計上されているからと言って、実際の資産価値が認められるかどうかは別問題です。確実に使用できるかどうかを確認して、医療機器や備品等の保守状況や修繕計画を把握するようにしてください。
(3)未収入金について
一般的なクリニックでは未収入金の多くは保険診療未収入金であり、その他多額の未収入金が発生していることは少なく、回収コストと比較して、未回収のまま放置していることが少なくありません。こうした未収入金について、管理ができているかどうか、チェックするようにしましょう。なぜならば、クリニックを継承をして未収入金も引き継がれた際、クリニックM&A後の税務調査により未収入金の計上漏れが指摘されることになるためです。
対象クリニックの簿外債務を確認する
貸借対照表を見ても計上されていない隠れ債務のことを、「簿外債務」といいます。特に現時点では債務として確定していないものの、ある条件をみたすことにより、将来債務を負う可能性がある事象を「偶発債務」と呼んでいます。この偶発債務の存在は、注意深く確認するようにしてください。代表的な偶発債務の事例として、訴訟を起こされている、債務保証を負っている、などが挙げられます。
患者と診療圏の調査を行う
医院開業でクリニックM&Aを利用する最大のメリットは、開業当初における集患の手間を省き、トータルでのコストを削減することにあります。したがってどのような患者がいて、診療圏はどれくらいなのかについては、最低限調査しなければなりません。また、そのクリニックに超過収益力要因があるかどうかも事前調査します。競合医療施設との関係はどうか、将来にわたって安定的なクリニック経営が行えるか、地域診療圏での口コミはどうかなどを調査します。
このように医院開業でクリニックM&Aを利用する際には、多くのポイントをチェックしなければなりませんし、実際には、ここで挙げた以外のチェックポイントもたくさん存在します。このようなチェックで重要なのは、将来的にネガティブなインパクトを及ぼすリスクを見抜く力と、そのリスクをヘッジするためのノウハウです。
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