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医院継承(承継)、クリニック売買、医療法人M&Aのメディカルプラスです。
本日は政府による医療費抑制政策の影響についてお伝えいたします。年々増加を続けてきた国民の医療費に対して、政府はいくつかの対策を打ちました。その中には、診療医療報酬の改訂も含まれますが、この記事では高齢者の医療費・保険料の負担増にスポットを当てていきたいと思います。
高齢者の医者離れ
現在、高齢者の医者離れが深刻化しています。
かつて70歳以上の高齢者の医療費については、自己負担額“0割”という時代がありました。どれだけ医療機関を利用しても、薬剤を購入したとしても、すべてが無料なわけです。こうした制度は、高齢者たちが安心して医療行為を受けられる一方で、問題も表面化しました。高齢化社会が進行するにつれ、徐々に医療費が逓増し国の財源を圧迫し始めたのです。
政府はこうした事態に対して、高齢者への医療費・保険料の負担を課すことで対応を試みます。平成14年からは高齢者の医療負担が一律“1割”(上限あり)となり、「高齢者」としての保険対象年齢も75歳に引き上げられました。また、平成20年から後期高齢者医療制度がスタートしました。これにより、従来は保険料の支払いを行う必要がなかった高齢者も、保険料の負担を余儀なくされます。そして、平成26年からは、平成26年4月以降に70歳を迎える高齢者を対象に、医療費の窓口負担が2割(所得によっては3割)に引き上げられました。さらに平成27年からは、介護保険の負担も増えています。
こうした高齢者に対する医療費抑制政策は、高齢者がクリニックに行く心理的ハードルを引き上げました。医療費負担が0割だった時代に比べて、公共料金の値上がりなどを考慮すれば、可処分所得は実質的に減少していると考えられます。高齢者の医者離れは当然の結果と言えるでしょう。
高齢者の医者離れによるクリニック経営への影響
さて、高齢者の医者離れ(受診抑制)は、クリニック経営へも深刻な影響を及ぼしています。「町のお医者さん」として、多くの患者でにぎわっていたクリニックから、高齢者の姿が消えつつあるのです。人口ピラミッドを見ても、高齢者の減少がクリニック経営へ大きなインパクトを与えることは明白で、事実、多くのクリニックで患者数の減少は実感されているところでしょう。その結果、少ない患者を近隣のクリニック同士で取り合いするケースも散見され、利益度外視の診療を行った結果、赤字経営が深刻化しているクリニックも少なくありません。
高齢者の医者離れ(受診抑制)はクリニック経営にネガティブな影響を与えていますが、中でもダメージが大きいのが「新規開業クリニック」でしょう。新規でクリニックを開業する場合、「町のお医者さん」としての口コミ実績がなく、ゼロベースからのスタートになります。戦略的な集客を行い、近隣クリニックとの患者獲得競争に打ち勝たなくてはいけません。もちろん、集客を成功させるためには、時間やお金といったリソースを相応に割く必要があります。採算ラインに乗るまでには、順調でも1年程度は必要でしょう。つまり、当面は赤字経営の可能性があり、クリニック経営が軌道に乗る前に、自己資金が底を尽きるケースも考えられるということです。
こうしたリスクを抑える方法として、「承継開業」があります。承継開業では常連として通院している多くの患者が、引き続き来院することが多いですから、開業直後から利益が上げられます。つまり、“集客”にかかる時間的コストや人的コストを極限まで抑えることが可能なのです。結果として、新規開業よりも初期コストが少なくなりますし、事業としての展開スピードも速くなります。今はそれほど承継開業の知名度は高くありませんが、徐々に認知度は上がってきており、今後は間違いなく承継開業するケースが増えていきます。
しかし、承継開業には多くのメリットがある一方、売手とのマッチングを考えたり、専門的な知識がないと手続きが難しかったりという側面もあります。やり方を間違えれば、承継開業できないこともあり得ます。
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