本日は神奈川県にある内科クリニックの出資持分譲渡契約を締結しました。
こちらの内科クリニックは、約50年前に近隣病院の勤務医をされていた現院長が当地に開業し、約25年前に医療法人化しました。
院長には医師であるお子さんがおりますが、院長とは専門が異なり、遠方に居住していることもあり、実家の医療法人を継承する意向はありませんでした。
クリニックの立地は駅からは数km離れた郊外にあり、通院している患者さんは大半が地域に住む高齢者の方です。現院長は80代とご高齢にもかかわらず、毎日1日70名から80名もの患者さんを診療されており、それだけでも驚くほどの気力と体力ですが、加えて新型コロナ後は発熱外来とコロナワクチンの接種と休診日返上で地域医療に貢献してきました。
発熱外来とワクチン接種の実施により増える患者ともに、地域医療の拠点としての責任が院長に重く圧し掛かる一方、院長からはもうこれ以上診療を続けるのは体力的に限界なので、診療の引継ぎ協力ができるうちに後継者を探してほしいと医院継承の相談を頂きました。
弊社に後継者探しのご依頼をいただいたのは今年春だったのですが、実は弊社に依頼する前は、他社の仲介会社に依頼し、他候補者と基本合意契約まで進んでいたと伺いました。基本合意まで進んだにもかかわらず最終契約まで進まなかった理由を伺うと、基本合意契約後、最終契約の段階になって、仲介会社から明確な根拠や理由の説明もなく、数千万単位の大幅な譲渡価格の減額を求められたとのことでした。そのときの話では、実質利益が5000万以上出ているにも関わらず営業権は無し、さらには医療法人の純資産額をも下回る譲渡金額まで値下げを求められたため、金額の多寡よりも、その進め方自体納得できるものではなく、院長が今まで50年近く行ってきたことを軽んじられていると感じられ、売主様からお断りされたそうです。
当社では売手と買手の双方が対等な立場で協議し、お互いがWIN・WINとなる医院継承の実現を目指しておりますので、上記経緯を踏まえ、適正と考える譲渡価格をその根拠とともにご提案させていただき、売主様にご理解とご納得いただいた上で募集を開始させていただくこととなりました。
候補者の探索を初めた後、商談申込を頂いた後継者の方からは、譲渡価格の減額の相談もありましたが、過去の経緯や譲渡価格の根拠をご説明したうえで、買収監査結果を踏まえた根拠が明確な範囲で修正した譲渡金額で当医療法人の継承を決断いただきました。
その決断により、売主様にとっては前回依頼されていた仲介会社から提示された価格よりも数千万円ほど高い価格で譲渡することができ、後継者の方も前候補者よりも数千万円高い価格であることをご納得いただいた上で、開業へ向けて約3年近く様々な案件を検討してきたなかで自身にとって最良と思えるクリニックを継承することができたと仰っていただきました。
これから秋の経営権移譲に向けて、定款変更、従業員雇用労務引継ぎ、電子カルテの導入、改修工事など準備を進めていきます。
当社では無料相談を実施しております。医院継承(承継)、クリニック売却買収、医療法人M&Aをお考えの方はこちらより【お問い合わせ】お気軽にお問い合わせください。
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