当初テナント開業から一転、新築開業を決意した20年後を見据えた計画
千葉県松戸市 つるこどもクリニック 院長 津留 智彦先生 つるこどもクリニック ホームページ
松戸市立病院、松戸小児発達センターなどで小児科専門医として
経験を積んで来られた「つるこどもクリニック」院長 津留 智彦先生に
テナント開業から一転、土地購入を決意された経緯をお伺いしました。
開業しようと考えられたきっかけについてお聞かせください。
私は、母校の自治医科大学付属病院や、松戸市立病院、松戸小児発達センターなどで小児科専門医として経験を積んできました。この15年勤務した松戸市立病院は地域の基幹病院であり、月に数回当直勤務があります。自分の年齢や体力を考えると、今後もこれまで通りの勤務を継続していくことは困難だと感じました。
また、患者さんだけでなく、ご家族や地域ともっと深く関わる医療を行いたいという気持ちが次第に大きくなり、開業を決意致しました。
勤務先の理解を得て開業することで、開業後の病診連携もスムーズに
開業しようと思ってすぐに開業できるわけではありません。私が退職してしまうと自身の専門分野を担う医師がいなくなってしまうため、外の病院で研修している後輩医師が戻ってくるタイミングで退職させていただくこととなりました。
また、開業には物件を決める必要があり、物件が決まらないうちに退職することはできませんので、退職までの間、並行して物件を探して頂きました。
予定していたテナント開業から一転、土地購入に至った経緯
なかなか希望条件を満たすテナント物件が見つからないなか、ある日コンサルタントの方から私が希望しているエリアで良い物件が見つかったと連絡がありました。その後会って話を聞いてみると、確かに私の希望する立地条件を満たしていましたが、その物件はテナント物件ではなく土地の売買物件でした。
当初テナントでの開業を検討していたので、土地を購入し新築で建てることは全く想定していませんでした。
土地を購入して新築でクリニックを建てるとなると、当初予定していた事業計画より大幅に投資額が増えてしまいますので、土地を購入するのはさすがに難しいと感じました。
しかし、面談の際に、土地を購入した場合の事業収支計画と、テナント開業した場合の事業収支計画と比較をしながら説明をしていただきました。すると土地を購入して新築で建てた場合の毎月の返済額と、テナントの月額賃料がほとんど変わらないことがわかりました。
また、テナント開業の場合、20年30年経ってもずっと賃料を払い続ける必要がありますが、土地建物を購入した場合、返済が完済した後は返済をする必要がなくなり、自分名義の資産として次世代に相続していくことが可能になると説明を受けて、土地購入という選択もありかも知れないと考えました。
事業計画の実現性とリスクを検証した上で、土地購入は合理的な判断
これだけ大きな買い物ですので、もちろん即決というわけにはいきません。また、土地建物まで含めた高額な融資を銀行から受けられるのかという不安もありました。
家内ともよく相談した結果、数十年先まで考えた場合、銀行から融資を受けることができるなら、土地を購入したほうが良いのではないかとの結論に至りました。
そしてコンサルタントの方に金融機関との交渉をしていただき、無事にこちらの希望条件で満額融資を受けることが出来ました。
開業前の近隣挨拶が開業後に大きな集患効果へ繋がる
開業は初めてのことでしたので、印象に残っていることは沢山ありますが、中でも開業前にコンサルタントの方と一緒に近隣の保育園や幼稚園、子育て支援センターなどに挨拶回りに行ったことがとても強く印象に残っています。
近隣の施設をリストアップし、1日かけて20か所以上の挨拶回りを行いました。内覧会当日には、挨拶にお伺いした施設の関係者の方も多数お越しいただきました。開業後もいくつかの保育園や幼稚園などで園医をしています。
これから開業をお考えの先生方にアドバイスをお願いします。
開業医と勤務医との最大の違いは自分のやりたい医療を患者さんに提供できるということだと思います。また、
開業医は自分で決めなくてはいけないことばかりで、悩みことも多いですが、その分やりがいも大きいです。
開業してまだ数か月ですが、スタッフにも恵まれ、だんだん患者さんも増えてきました。
小児科ですので患者さんやお母さんの笑顔に力をもらうことが多いです。
まだこれから大変なことも多いかと思いますが、開業して良かったと思っています。
医師としての経験を長く積んでも、開業に必要なスキルは身につきません。
自分は開業するうえで、誠実でフットワークが軽く、一緒に頑張ってくれるコンサルタントと巡り合えて本当に運が良かったです。
コンサルタントの方以外も、開業前も開業後も様々な業種の方とのお付き合いがあります。
これから開業を考えている先生方も、色々な人との出会いを大切にして頂きたいと思います。
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